フランス・グループPSA(Groupe PSA)執行役員でプジョー(Peugeot)ブランドCEO(最高経営責任者)のジャン=フィリップ・アンパラト(Jean-Philippe Imparato)氏は、2019年3月20日に東京都内で開いた新型「508」の発表会で同社の電動化戦略を説明した。

PeugeotブランドCEOのJean-Philippe Imparato氏(撮影:日経 xTECH)
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 ドイツメーカーなどの競合他社は高級車から電気自動車(EV)を導入しているのに対し、同社は小型車「208」からEVを導入する(関連記事)。この狙いについて、同氏は「我々はオールラウンドプレイヤーだ。1000万円以上もするようなEVを出すわけにはいかない。小型車で人気がある208からEVを導入する」と述べた。

 欧州では2021年から二酸化炭素(CO2)排出量を平均95g/km以下にする規制が始まり、守れない場合、巨額の罰金が課される。「CO2規制に対応できなければ、もはや自動車メーカーに未来はない」(同氏)。ただ、2019年3月初旬の「ジュネーブモーターショー」で他社を見て回った結果、「本当に規制に対応する意識があるのか疑問に思った」(同氏)という。「8万~10万ユーロ(1000万円~1300万円)もするEVを誰が買うというのか。買えるのはわずか1~2%くらいだろう」(同氏)。上位1~2%の富裕層だけでなく、幅広い顧客が買えるEVを提供すべきだと主張する。

 また、利益度外視でCO2規制に対応する考え方も否定した。「EVで赤字を出すことは決して受け入れない」(同氏)という。倫理的な観点から、CO2排出量の少ない車と多い車でバランスを取ろうとも考えていないという。同社はEVやプラグインハイブリッド車(PHEV)を出す一方、内燃機関の効率も上げてきたという。「CO2排出量が一定水準を超えるエンジン車の生産を止めざるを得ない企業もあるが、我々にはその必要がない」(同氏)とする。

 とはいえ、EVは電池のコストが高い。コスト許容度の弱い小型車市場でEVを出すことは、一般的には厳しいと考えられている。この点については「効率を高めて対応する」(同氏)と述べた。

 また、ディーゼルエンジンについては、「顧客が望まなくなればやめる」(同氏)と述べた。同社は5年前、ディーゼルエンジン車が60%、ガソリンエンジン車が40%だったという。今はそれが逆転した。ただ、同社は優れたディーゼルエンジン技術を持っており、TCO(Total Cost of Ownership)では、いまだにディーゼルエンジンが優れているという。「ガソリンエンジン車やPHEVのTCOがディーゼルエンジン車よりも良くなったら、ディーゼルは消えるだろう。いずれにせよ、顧客が決めることだ」(同氏)と述べた。

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