スウェーデン・ボルボ(Volvo)は、2021年を目途に車載電子プラットフォーム(基盤)を刷新する。高性能な“中央コンピューター”を採用した「中央型」のシステムに切り替えていく。コンピューターの中核を担うSoC(System on a Chip)は米エヌビディア(NVIDIA)が供給する。

 同社はこれまで、数十個のECU(電子制御ユニット)を使って車載電子プラットフォームを構築してきた。ECUと自動車の各部品が個別につながる「分散型」だったが、「自動運転を中心とする機能追加によって、分散型ではシステムが複雑になりすぎてしまう」(Vovlo Senior Manager AD and ADASのAndreas Wallin氏)という課題が浮上してきた。

 Volvoは「システムを再構築するタイミングが来た」(同氏)と判断し、車載電子プラットフォームを中央型に切り替える決断を下したようだ。同社は中央コンピューターを「Core Computer」と名付け、中大型車向けの車両プラットフォームの刷新に合わせて搭載していく計画だ。

2021年導入の新プラットフォームに合わせて

 車両の新プラットフォームは「SPA(Scalable Product Architecture)2」で、2021年ごろに導入する予定である。現行のプラットフォーム「SPA」の実用化が始まったのが2015年で、最上位SUV(多目的スポーツ車)「XC90」を皮切りに、「90シリーズ」と「60シリーズ」に広く展開している(図1)。約6年で世代交代させる。

図1 Volvoの最上位SUV「XC90」。(出所:Volvo)
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 VolvoはSPA2で導入するCore Computerを開発済みで、NVIDIAが米国サンノゼで開催中の開発者会議「GPU Technology Conference(GTC)2019」(開催期間:2019年3月17日~21日)で実機を展示した(図2)。筐体の寸法は200×200×50mm程度で、NVIDIAの車載AIコンピューター「DRIVE AGX Xavier」を内蔵する。

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図2 Volvoが2021年ごろから車両に搭載する予定の車載AIコンピューター。(撮影:日経Automotive)

 DRIVE AGX Xavierは、SoC「Xavier」を搭載した車載AIコンピューターで、処理能力は30TOPS(毎秒30兆回)と高い。消費電力は30Wで、従来のECUより大きくなるため水冷の冷却機構を備えた。無線通信を介してソフトウエアを更新するOTA(Over The Air)も搭載する。

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