パナソニックは名古屋大学とCOI(革新的イノベーション創出プログラム)で連携し、高齢者向けの歩行練習ロボット「Walk training robo」を開発した(図1)。2018年から自治体や病院と連携して実証実験に取り組み、高齢者の利用データを収集。集めたデータは、高齢者向けのサービスや製品の開発に生かす。歩行練習ロボットは、2019年中の量産とサービス開始を目標とする。

図1 パナソニックが名古屋大学と連携して開発した歩行練習ロボット「Walk training robo」の利用デモ(撮影:日経 xTECH)
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 歩行練習ロボットで、歩行時に負荷を与えて、運動能力の向上を狙う。「身体の衰えと共に歩くことに不安を抱える高齢者は増える傾向にある」(パナソニック)とし、同ロボットを使うたびに元気になれるような仕組みを提供していく。

 同ロボットは、前2輪、後ろ2輪の4輪車で、後輪部分に小型のトルクモーターを搭載している。利用者が押して歩くと、トルクモーターにつないだ荷重センサーにかかる力の大きさから、必要な負荷を計算。歩行練習になるように負荷をかけていく。前輪は、ロボットを支える補助的な役割にとどめた。ECU(電子制御ユニット)は前輪からハンドル部分にかけて伸びるボディーの上部に搭載する。

合計容量100Whのリチウムイオン電池を搭載

 駆動用のリチウムイオン電池パックもボディーに組み込んだ(図2)。合計容量は約100Wh。電池セルは、パナソニックが米テスラ(Tesla)の電気自動車(EV)向けに供給するような円筒型の「18650」セルを組み合わせているようだ。パソコンなど民生用にも大量に生産している同セルを使って安価に実現した。充電ケーブルはボディーに直接挿し、2時間の充電で約6時間使える。

図2 歩行練習ロボットの外観、ボディーに合計容量100Whのリチウムイオン電池を搭載する(撮影:日経 xTECH)
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 性別や年齢が同じでも、高齢者の身体能力は個人で大きく違う。そのためパナソニックは、AI(人工知能)の技術を適用し、個人の能力に合わせて歩行能力を解析できるようにした。歩くという行為は、一定の動きではなく、リズムが存在する。そのリズムを波として計測することで、時と場合によって変わる細かい歩行パターンまで分析できるようにした。

 利用者の体にセンサーを取り付けたり、カメラで撮影したりすることで歩行能力を解析する方法は従来もあったが、「高齢者の利用を想定すると負担が大きい」(パナソニックビジネスイノベーション本部AIソリューションセンター主幹技師で名古屋大学特任准教授の山田和範氏)という。煩わしいセンサーの取り付けを省き、利用へのハードルを下げる。

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