日立オートモティブシステムズが、自動ブレーキ用センサーであるステレオカメラにAI(人工知能)を活用したことが日経 xTECH/日経Automotiveの調べで分かった。数十万枚のデータを教師データとすることで、夜間の歩行者認識を実現する。競合各社はAI対応センサーの開発段階にとどまる。日立オートモティブは、新センサーをスズキに供給しており、AIセンサーの実用化で先行した格好だ。

 新型センサーは性能でも世界の競合を引き離す。夜間歩行者を対象にした自動ブレーキの性能は、イスラエル・モービルアイ(Mobileye)の主流の画像処理チップ「EyeQ3」搭載車を上回る。AIセンサーの実用化で先行し、”巨人”を超える成果を出したことになる。

 日立オートモティブのカメラは従来、他社と同様に開発者が手動で条件を決める「ルールベース」で対象物を認識していた。ただ、ルールベースでは条件が複雑になったり、夜間などへの対応が難しくなったりする課題があった。機械学習を用いることで、大量のデータから効率良く条件を見つけることを可能にした。

 ステレオカメラは一般的に、左右のカメラで撮影した2枚の画像の視差を用いて、車両前方の任意形状の対象物を検知する。検知した対象物が歩行者かどうかを、パターン認識などの手法によって判別する。日立オートモティブの新型ステレオカメラは、画像認識処理のプロセスに機械学習を適用した(図1)。

図1 ステレオカメラの計測原理
左右のカメラで撮影した画像の視差から対象物を検知し、機械学習を適用してその対象物が歩行者かどうかを識別する。(出所:日立オートモティブ)
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 画像認識用マイコンに数十万枚の教師データを収納。カメラで撮影した画像とこの教師データを照合し、歩行者かどうかを判定する。先代ステレオカメラでは、歩行者の判定に複数の画像を用いる通常のパターン認識を使っていた。

 機械学習を適用することで従来のパターン認識に比べて、下半身だけにヘッドランプが当たっている画像や、体全体は見えていながら体の場所によって明るさが異なる画像などを、歩行者であると判断しやすくなった。

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