「テストスクリプトのメンテナンスを自動化し、エンジニアがソフトウエアを作ることにより集中できる環境を提供したい」――。こう話すのは、AI(人工知能)を活用したUIテストの自動化サービス「Autify」を開発した米Autify(オーティファイ)の近澤良社長だ。近澤氏は元DeNAのソフトウエアエンジニア。米国の起業支援プログラム「Alchemist Accelerator」を利用して同社を立ち上げた。

 同社は2019年3月1日からベータプログラムとして限定したユーザーにAutifyのサービスを開始。同6月に一般ユーザー向けにサービスを開始する予定だ。現在は開発・販売の拠点を日本に置き、日本をはじめとするアジア市場を中心に、ユーザー獲得を目指す。

 現在のシステム開発では、リリースサイクルの短期化が求められている。いち早くサービスをリリースして改善を繰り返すことで競争力を高めれば、売り上げや利益の拡大が期待できるからだ。リリースサイクルの短期化には、プロジェクト工期の中で大きな割合を占めるテスト工程の効率化が欠かせない。

 多くの開発現場では、UIテストの自動化の仕組みを取り入れている。テストエンジニアがマニュアルを見ながら手作業でUIテストしていた状態から、自動化によって短期間で何度でもテストを実行できるように変えるわけだ。UIテストの実行を自動化するツールは、Webアプリケーション向けの「Selenium」などが代表格である。

 しかし、Seleniumをはじめとするテスト自動化ツールには大きな課題があった。それが、テストスクリプトのメンテナンスだ。

 UIテストの自動化では、まず画面内のボタンの操作やデータの入力といったテスト手順をテストスクリプトとして記述し、それを基に自動テストを実施する。画面に変更がなければ、同じテストスクリプトを使い回せるので、高速にテストできる。

 ところが実際の開発では、画面変更はたびたび発生する。例えば、デザイン変更だ。ボタンの位置を少しずらしたり、新たな要素を追加したりすることは頻繁にある。テストエンジニアは、画面変更が発生するたびにテストスクリプトを書き直さなければならない。近澤氏は「頻繁に変更・リリースを行う開発現場では、テストを自動化してもテストスクリプトのメンテナンスに作業時間の大半が割かれてしまうことがある」と話す。

 テストスクリプトのメンテナンスコストを削減するために近澤氏が開発したのが「Autify」である。このサービスは、AIによってWebアプリの変更を監視し、影響のあるテストスクリプトを自動的に変更できるものだ。

米Autifyの近澤良社長
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