「日本のWebサイトでのNginx(エンジンエックス)の利用率が2019年2月時点で30%まで伸びている。5年前はわずか3%だったことを考えると、日本でのNginxへの関心は高まっている。しっかりサポートしていく必要がある」。米NGINXの東京オフィス カントリーマネージャーの中島健氏は、東京オフィス開設の理由をこう説明する。

 NGINXは、オープンソースのWebサーバーソフトウエア「Nginx」の商用版「NGINX Plus」などを開発・販売。同社は日本市場に本格参入するため、2019年2月に東京オフィスを開設した。日本語のサポートを充実させ、WebサーバーソフトのデファクトスタンダードであるApache HTTP Server(以下、Apache)や無料のオープンソース版Nginxから同社製品への乗り換えを促す。

 Nginxは、軽量かつ高速な処理が売りのオープンソースのWebサーバーソフトウエアである。一般的にWebサーバーソフトウエアといえば、Apache HTTPサーバーが定番だ。しかし、Webサーバーソフトのデファクトスタンダードは変わろうとしている。オーストリアのQ-Successが提供するWeb技術の調査サービス「W3Techs」によると、2019年2月4日時点の世界シェアはNginxが41.0%。Apacheの44.3%と肉薄している。アクセス数上位1000サイトでの利用率は、Nginxが58.8%でApacheの17.1%を抑えて既にトップである。

 中島氏は「1年〜1年半でWebサーバーソフトのApacheを抜き、シェアトップになることが見えてきた」と今後の普及に自信を見せる。日本市場においても同様にシェアを広げていく考えだ。

 Nginxが注目される理由は、Apacheと比較して動作が軽く、大量のリクエストに対応できる点にある。もともとNginxは、NGINXの現CTO(最高技術責任者)であるIgor Sysoev(イゴール・シソーエフ)氏がApacheの処理能力に不満があったため開発したという経緯がある。シソーエフCTOは、「Apacheは1万台規模の大量のクライアントからアクセスがあると、ハードウエアの性能に問題がなくてもサーバーがダウンしてしまうことがある。これを解決するためにNginxを開発した」と話す。

 NginxとApacheの主な違いは、メモリーの割り当て方にある。Apacheは1つのHTTPリクエストに対して、1つのプロセスを割り当てる。そのため、大量のHTTPリクエストがあると、プロセスに割り当てるメモリーが増えてメモリー不足に陥ってしまうことがある。一方、Nginxは基本的にCPUのコア数と同じだけのプロセスを立ち上げ、キューにたまったリクエストを順番に高速処理していく。HTTPリクエストが増えてもプロセス数は増えないため、消費メモリーを抑えることができる。

Apache HTTPサーバーとNginxの違い
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