2019年2月11日、EV/PHEV向けワイヤレス給電の技術開発や規格化で競合していた2社が、事業を統合させることを決めた。

 具体的には、米ワイトリシティ(WiTricity)が米クアルコム(Qualcomm)のEV/PHEV向けワイヤレス給電事業「Qualcomm Halo」を買収すると発表したことによる(WiTricityのプレスリリース)。技術や技術のライセンス権、1500件超の特許などがWiTricityに移る。一方、Qualcommは、WiTricityの株式を小数獲得した。Qualcomm自身は、EV/PHEV向けワイヤレス給電の技術開発から撤退する。WiTricityによる買収額やQualcommによる株式の取得額などは公表していない。

 Qualcomm Haloはこれまで、「ダブルディー(DD)」という独自形状のコイルを用いたワイヤレス給電技術「Wireless Electric Vehicle Charging(WEVC)」を推進しており、円盤状(Circular)のコイルを用いたWiTricityの技術と、米Society of Automotive Engineers(SAE)Internationalによる規格標準化の場で競合していた。

QualcommのDDコイル

 Qualcommは当初、「WEVCは技術的には電磁誘導方式で、(WiTricityが利用する)磁界共鳴方式ではない」としていたが、その後、磁界共鳴方式の一種であることを認めている注1)

注1)磁界共鳴方式も電磁誘導方式の一種であるが、従来の電磁誘導とは利用するパラメーターの値などが異なる。

 Qualcomm HaloのWEVCは、元はニュージーランドのオークランド大学(University of Auckland)の研究者が開発したワイヤレス給電技術。その技術移転を担当したニュージーランドAuckland UniServicesの関連部隊「HaloIPT」を2011年11月にQualcommが買収した、という経緯がある。Auckland UnivServicesは、この買収前に工場や倉庫向け搬送システム大手のダイフクにも技術を提供している。ダイフクはフォークリフトなどに技術を適用している。

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