あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の本格普及を見据えて、鏡を電子化する動きが活発になってきた。AGC(旧旭硝子)は、コンピューターとディスプレーを内蔵した鏡を開発し、2019年1月から受注生産を始めている(図1)。同年4月から本格的に量産を始める見通し。名称は「Mirrorge(ミラージュ)」。搭載したカメラとセンサーで、心拍や血圧、表情などから健康状態を推定し、日々の体調管理に役立てる。

図1 AGCが開発した電子化した「鏡」、デモを披露する同社マーケティングサブリーダーの細入夏生氏(撮影:日経 xTECH)
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 専用開発した鏡の裏に液晶ディスプレーを取り付け、さらにその裏にシステム制御用のCPUを搭載した基盤を組み付けている(図2)。顔認証に使うカメラや、マイクロ波を照射する非接触検知用のモジュールを基盤とつなぐ。これら機器を合わせた厚さは約35mm。従来品よりも薄く設計することで、既存の一般的な鏡と置き換えやすくした。

 AGCはガラスメーカーのため、鏡以外の機器は外部企業から調達する。技術のカギとなるのは、ガラスの技術を使った鏡にある。

 従来も同様のコンセプトで電子化した鏡は存在したが、反射率が30%前後と暗く、実用的な技術水準ではなかった。AGCの開発品は反射率を約65%と、従来品のおよそ2倍に高めることに成功。広く普及する洗面台の鏡と同水準に引き上げた。技術の詳細は明かしていないが「鏡の表面加工と裏面の膜の改良によって実現した」(AGCビルディング・産業ガラスカンパニー営業部マーケティングサブリーダーの細入夏生氏)という。

図2 機器の構成(撮影:日経 xTECH)
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