電気自動車(EV)ベンチャーのFOMM(川崎市)が2019年2月にタイで量産を始める超小型EVは、電池を「交換式」にして稼働率を高めたのが特徴だ。同車格の一般的なEVに比べて非稼働時間を6分の1に縮めて、約5分としている。同じく川崎市に拠点を構える富士通と組んで、ソフトとハードの両面から電池交換の仕組みを整える。タイにおけるインフラの陣取り合戦を早い段階で制したい考えだ(図1~3)。

・前編:電池「交換式」の超小型EV発売へ、日の丸ベンチャーの挑戦“第1章”

図1 FOMMが富士通と開発した「バッテリークラウド(Battery Cloud)」と呼ぶ電池交換を支援するサービス
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図2 交換用の電池パックは車両の後部に2個搭載
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図3 後部に加えて左右のドア中に1個ずつ搭載
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 もっとも、交換式という新しいシステムを普及させるためには、使い勝手を高めなければいけない。FOMMが富士通と開発した仕組みは「バッテリークラウド(Battery Cloud)」と呼ぶ電池交換を支援するサービスだ。利用者はスマートフォン(スマホ)向けの専用アプリケーション(アプリ)を使い、車両の電池残量を把握する。残量が減っていたら、地図画面から最寄りの電池交換ステーションの位置を確認。交換の予約を入れる。

 あらゆるものがネットにつながる「IoT」機能を備えた装置をFOMMが開発し、車両の電池管理システム(BMS)につなげて載せる。通信面はFOMMがタイ現地の通信キャリアと契約して整備する。クラウドに上がってきた情報は、富士通がタイのサーバーで集計し、処理した情報をアプリ画面で利用者に提供する。FOMMや富士通としては、走行データや電池消費量をリアルタイムで収集が可能という利点がある。集めた情報を分析して、次世代の車両や移動サービス「MaaS」の開発に生かしていく。

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