JXTGホールディングス傘下で銅を中心に非鉄金属を手掛ける大手のJX金属(東京都千代田区、大井滋社長)の執行役員で技術本部企画管理部長を務める谷明人氏に話を聞いた。

 谷氏は経済産業省で産学官連携を核としたオープンイノベーションの推進施策を強力に推進した元官僚。特に、経産省の大学連携推進課長だった2008年7月から2010年6月(平成20年7月から平成22年6月)の期間は、同省の産学官連携施策のけん引役の1人として活躍した。

JX金属が東北大青葉山新キャンパスに建設予定のインターコネクト・アドバンストテクノロジーセンター(ICAT)の予想図
次世代配線材料技術分野でのイノベーションを創出する拠点にしたい考え(出所:JX金属)
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 JX金属は2018年9月5日に東北大学と織的連携協力協定の締結を発表。それ以前の6月に東北大発ベンチャーであるマテリアル・コンセプト(仙台市)への出資などで関係を深めていたがより関係を強化。次世代配線材料研究の寄付講座の設置や、同大学青葉山新キャンパス内に新しく研究棟(図)を建設、寄贈するなどの支援を実施する。

 いよいよ2019年4月から本格化する東北大学との連携事業について、本計画の実質的な推進者である谷氏に話を聞いた。

東北大との「組織的連携協定」ではどんな成果を狙っているのか?

 東北大との連携協定では「次世代半導体配線材料」の開発を目指しています。そのために同分野では世界初の産学官連携拠点を東北大キャンパスに築きます。まずは銅系の配線材料の実用化を目指しますが、その先には、「ネクスト銅」金属系配線材料の研究開発やその実用化もシナリオとして含めています。

 今回のJX金属と東北大を連携協定には、東北大発ベンチャーのマテリアル・コンセプトが重要な役割を担っている。同社は東北大大学院工学研究科の小池淳一教授の研究成果を基に2013年4月に設立されたベンチャー企業。東北大のインキュベーション施設内に入居し、小池美穂代表取締役CEOの下で銅系の半導体の配線材料の事業化を進める。小池教授は同社に取締役兼CTO(最高技術責任者)として参加している。

 マテリアル・コンセプトは2014年3月4日、産業革新機構(INCJ、東京都千代田区)から、6億円を上限とする第三者割当増資で3億円(推定)の出資を受けて一躍脚光を浴びた(ベンチャーキャピタルの大和企業投資[東京都千代田区]との協調投資として実施)。この投資により銅系配線材料の研究開発を進める資金のめどが立ち、事業化に向けた態勢が大幅に前進した。

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