電気自動車(EV)ベンチャーのFOMM(川崎市)がビジネス面で大きな一歩を踏み出す。2019年2月にタイで超小型EVの量産を始め、同年3月以降に顧客へ納入する (図1~4)。同社初の量産モデルで、「FOMM ONE」という4人乗りの車両だ。価格は66万4000バーツ(1バーツ=3.4円換算で約226万円)。電池を「交換式」にすることで、非稼働時間を通常のEVに対しておよそ六分の一、約5分に抑えた。

図1 FOMMがタイで発売する初の量産モデル「FOMM ONE」、斜め前から
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図2 斜め後ろから、電池を「交換式」にしたのが特徴
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図3 交換用の電池パックは車両の後部に2個搭載
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図4 後部に加えて左右のドア中に1個ずつ搭載
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 新型車両は交換式のリチウムイオン電池パックを計4個搭載する。車両の後部に2個、左右の側部に1個ずつ載せる。容量は1個当たり約3kWhで、車両合計で12kWh。航続距離は160kmとしている。「街乗り用の小型車両のため、長距離の運転は疲労が溜まる。電池のコストを加味すると、160kmは現時点での最適解だ」(FOMM代表取締役CEOの鶴巻日出夫氏)という。

 鶴巻CEOはトヨタ車体で超小型EVの「COMS(コムス)」の企画や開発に従事していた人物。2013年にFOMMを設立し、利便性を高める電池交換式の仕組みに着目して車両の開発を進めてきた。

 電池交換式の利点は大きく3つある。(1)車両の非稼働時間を短縮できること、(2)技術の進歩に合わせて電池を改良して載せ替えやすいこと、(3)1個の電池を多用途に使い回せるため、車両の購入費用を下げられること――である。一般的なEVに比べて非稼働時間を抑えて“ほぼ”連続で走れるため、FOMMの新型車両のように160kmの航続距離だとしても、さらに距離を延ばしたかのように使える。

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