東京理科大学発ベンチャー企業で作業者の負担を軽減するアシストスーツ(装着型ロボット)製品を手掛けるイノフィス(東京都新宿区)。2014年の創業時から手掛ける作業者の腰の負担を低減するタイプの製品「マッスルスーツ」シリーズに加え2018年10月に重量物を運ぶ際の腕・腰の負担低減を狙う新製品「マッスルアッパー」(図1)をラインアップに追加した。

図1 腕・腰補助方式の装着型ロボット「マッスルアッパー」
高さ920mm、幅830mm、奥行き310mm、重さが8.1kgで、圧縮空気を人工筋肉4本内に供給するコンプレッサーが別途必要になる。作業時の安全性を考慮し、片腕では30kg以下のモノを持ち上げることをスペックとして表示している。
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 新製品に狙いや製品化の背景について、同社代表取締役社長・CEO(最高経営責任者の古川尚史氏(図2)と同社創業者・CTO(最高技術責任者)の東京理科大教授の小林宏氏(図3)に話を聞いた。

図2 イノフィス代表取締役社長・CEO(最高経営責任者)の古川尚史氏
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図3 イノフィス創業者・CTO(最高技術責任者)の東京理科大教授の小林宏氏
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腕・腰補助向けの装着型ロボットを開発し、進出した勝算は

古川 今回、発売した「マッスルアッパー」は両腕で重量物を持って移動させる際に、最大35.7kgf(140MN)の補助力を発揮して、負担を低減します。作業者が背中に背負う形で装着し、作業者の腕や腰の動作を人工筋肉による補助力で支援します。さらに、物を持ち上げる際の人間の屈伸動作を補助して重量物の移動を楽にします。

 国内製造業の工場などの現場では例えば金型の交換といった、重量物を移動させ、所定の場所に配置・固定する作業工程がいくつかあります。当然、人の力では運べませんから通常は「バランサー」と呼ぶ小型のクレーン状の装置を利用して移動します。

 バランサーは工場内の重量物を移動する工程の所定の場所に設置されており、ほとんど同じような操作を繰り返すという形で使われています。つまり、バランサーの動きや稼働可能な範囲には柔軟性がなく、設置の自由度も低いため、運搬作業ごとにバランサー1台を専用に使うという形態になります。我々はこれを新製品のマッスルアッパーで置き換えられると考えています。

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