見慣れたスクーターの座席下から見慣れぬ四角柱の電池を取り出す――。ホンダは2018年11月30日、新型の電気自動車(EV)スクーター「PCX ELECTRIC」のリース販売を始めた(図1~4)。企業や官公庁向けに、まずは年間250台を目標に提供する。価格は70~80万円を想定。車格は排気量125ccクラスで、座席下に備えた電池を「交換式」にして、車両の非稼働時間を抑えたことが特徴だ。試乗を通して記者がその実力を検証した。

図1 ホンダの新型電気自動車(EV)スクーター「PCX ELECTRIC」、斜め前から
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図2 同車両、斜め後ろから
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図3 座席下に電池を2個搭載する
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図4 電池は1個あたり容量1.0kWh
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容量1.0kWhの電池を2個搭載

 さっそく、最大の特徴である電池交換式の仕組みを試す。ハンドル右下の回転式レバーを操作した後に、座席を開く専用ボタンを押すと、「ボンッ」という音とともに座席部のロックが外れた。座席をふたのように持ち上げると、そこには荷物やヘルメットの収納に便利なスクーター特有の「メットインスペース」が広がっているはずだった。しかし、ホンダの新型EVスクーターでは、容量1.0kWhの電池パック2個が大部分を専有しており、荷物を入れられる空間は同車格のスクーターの数分の一。2輪車ながら物を運ぶ機能に優れたスクーターの利便性は低下している。

 収納空間を犠牲にしてでも、電池交換式の利点の大きさをホンダは選んだ。考えられる利点は大きく3つ。(1)車両の非稼働時間を短縮できること、(2)技術の進歩に合わせて電池を改良して載せ替えやすいこと、(3)1個の電池を多用途に使い回せるため、車両の購入費用を下げられること――である。

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