宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が成し遂げた世界初の観測成果に関する会見が12月13日に開かれた。はやぶさ2本体から9月21日に分離し、小惑星リュウグウ表面に降下・着陸した超小型ローバー(探査車)2機による観測ミッションの成功を発表、同探査車に命名した愛称を公表した。また同探査車がリュウグウ上から撮影した写真の一部を新たに公開した。リュウグウに探査車を降下させて観測するプロジェクトは「MINERVA-II1」(ミネルバ・ツー・ワン)と呼ばれる。kg級の超小型探査車による小天体探査の成功は、今回が世界初の実績となる。

ローバーIAの模型を掲げる、吉光徹雄・JAXA宇宙科学研究所准教授
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リュウグウ表面を飛び跳ねて移動

 今回降下させた探査車「ローバーIA/同IB」はほぼ同型で、搭載カメラなど若干仕様が異なる2機構成。それぞれ直径180mm、高さ70mmの正二十六角柱形状をしており、重量約1.2kg。内蔵したモーター駆動のはずみ車を回転させた反動トルクで本体を回転させて浮上し、リュウグウ表面をホッピング(飛び跳ね)して自律的に移動する設計になっている。

ローバー1A「イブー」の模型
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ローバー(探査車):対象天体に着陸して探査する探査機のうち、移動機能を持つものを「ローバー(探査車)」と呼ぶ。リュウグウは重力が小さく車輪を使う移動はむしろ困難なため、MINERVA-II1ではホッピングによる移動機能を備える。

 太陽電池に光が当たると起動し、撮影とホッピングを行ってデータをはやぶさ2経由で地球に送信する仕組み。リュウグウの自転に伴って太陽光が当たらなくなると、動作を止めて休止する。これを繰り返してほぼ完全に自律的に動作する。

 9月21日の着陸後、ローバー1Aは27ソル、ローバー1Bは10ソルまでホッピング移動と表面撮像データの取得に成功している。ソルは探査する星の1日のこと。リュウグウは7.6時間で1回自転しているので、1ソル=7.6時間となる。両機の着陸と観測の成功をJAXAは9月22日時点で速報していたが、両機が当初の目標にしていた7ソル以上の活動の成功を今回改めて公表。観測ミッションは完全に成功したといえる。

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