ERP(統合基幹業務システム)最大手の欧州SAPが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に注力している。「2022年までにRPAを使ってERPの入力業務を50%自動化する」と宣言。ERP「S/4HANA」を皮切りに、同社の提供する経費精算の「Concur」やタレントマネジメントの「SuccessFactors」といったSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)にもRPAを組み込んでいく方針を打ち出した。

 SAPがRPAに注力するのは、「ERPを導入していたとしても自動化が進んでいない業務が多く、非効率である」(欧州SAPのマーク・ティアリンク SAP Leonardo、AI&New Markets グローバル・バイス・プレジデント)ためだ。非効率な状況を解消するためには、ERP導入による業務自動化に加えて、データ入力業務や表計算ソフトを利用した書類作成など、多くの企業が手作業で行っている業務を自動化する、新たな方法が必要と考えた。

欧州SAPのマーク・ティアリンク SAP Leonardo、AI&New Markets グローバル・バイス・プレジデント
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RPAツールに会話型AIと機械学習を組み合わせる

 SAPは同社が取り組むRPAを「インテリジェントRPA」と呼んでいる。人間の作業を記録して同じ作業を実施する一般的なRPAツールに加え、会話型のAI(人工知能)や機械学習エンジンを組み合わせたものを、インテリジェントRPAと定義している。「RPAツールによる入力の自動化だけでなく、会話型UI(ユーザーインターフェース)を用いたデータ入力の効率化なども、RPAと位置付けている」とSAPジャパンの川又俊一 SAP Leonardo事業本部シニアエキスパートは説明する。

 SAPは第1段として、S/4HANAのSaaS「S/4HANA Cloud」にインテリジェントRPAの機能を組み込み、2019年第1四半期にも提供する予定だ。S/4HANA Cloudの標準画面向けの入力作業が、インテリジェントRPAの対象になる。標準画面向けと限定しているのは、入力作業自動化の対象として、「入力者の作業の流れとデータ構造が明らかになっている」(SAPジャパンの川又俊一 SAP Leonardo事業本部シニアエキスパート)必要があるためだ。

 S/4HANA Cloudが備える具体的な機能は明らかになっていないが、入力の際に候補となるデータを提示したり、ERP内でのデータマッチングなどによる入力を自動化したりする機能が、実装される見込みだ。

 SAPは機械学習を使って入力業務の省力化を支援するアプリケーションを、すでに用意している。その1つが、銀行の取引明細を取り込み、請求データとマッチングして消し込み処理をする機能だ。今後はこうした機能のように「毎月、大量に発生する入力処理を中心に、機能を提供していく」(川又シニアエキスパート)。

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