いすゞ自動車は、先進運転支援システム(ADAS)の機能を高めた小型トラックを開発中だ。試作車両は「センサープロト」と呼ぶ。同社が手掛ける小型トラック「エルフ」を基に、ミリ波レーダー(77GHz帯)とLIDAR(レーザーレーダー)を6個ずつ搭載。車両周囲の死角を減らす。2025年以降に実現を目指す一般道での自動運転への足掛かりとする。

いすゞ自動車は、試作トラック「センサープロト」を2018年10月に報道陣に公開した(撮影は禁止だった)
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 ミリ波レーダーとLIDARは組み合わせて搭載する。搭載位置は、車両の前後に一組ずつ。そして、前側方と後側方の検知用に四隅に一組ずつ配置している。過剰性能にも思えるが、「ミリ波レーダーとLIDARのどちらがトラックに合うか試している段階だ」(いすゞ執行役員で開発部門を統括する奥山理志氏)とし、実用化に向けて各機器の用途を絞り込む。

 大型トラックに搭載するようなレーダーは、200m以上先の障害物を検知できる性能が必要となる。車両質量が大きく停止するまでの制動距離が長いからだ。一方、試作車両のような小型トラックでは、広角に照射できるレーダーを選び、数m~十数m先の障害物を360度見落とさないようにした。フロントウインドー上部に搭載した単眼カメラや、インストルメントパネル(インパネ)部分に備えたステレオカメラと組み合わせて安全性能を高める(関連記事:いすゞが日立オートモティブのステレオカメラを選んだワケ

 実用化の課題はLIDARの価格が高いことだが、奥山氏は「2020年以降に価格が下がりそうだ」と予想する。欧州で自動車アセスメントを手掛けるEuroNCAPによる安全性能試験で、2020年以降は交差点での歩行者検知が加点対象となる見方が強いからだ。高得点を獲得するために、乗用車メーカーが量産車にLIDARを本格的に採用すれば、価格が下がる可能性が高い。長距離を走ることが多いトラックで使えるように機器の耐久性にも焦点を当てながら、コストと性能のバランスが最も良い調達先を選ぶ。

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