ヤマハ発動機が4輪車開発を断念した。同社は2013年に4輪車事業への参入を表明して研究を進めてきたが、新構造の車体の量産化や採算性の課題を解決できなかった。2018年12月11日に同社が開いた新たな中期経営計画の発表会で、社長の日髙祥博氏が明らかにした(図1)。

[画像のクリックで拡大表示]
図1 ヤマハ発動機社長の日髙祥博氏
「普通乗用車の領域に我々が事業として進んでいくのは、いったんフリーズ(凍結)する」と語った。

 研究と量産の間に横たわる“死の谷”を超えられなかったヤマハ発動機の4輪車開発(関連記事:ヤマハ発、4輪参入の突破口)。日高氏は「普通乗用車の領域に我々が事業として進んでいくのは、いったんフリーズ(凍結)する」と明言した。すでに開発チームは解散。英国の拠点で研究してきたメンバーは「つい最近のことだが、既に帰国している」(同氏)という。

 「4輪車事業への参入を検討してきたが、量産時の技術的な課題の解決が難しいとの結論が出た。加えて、どの地域でどのような車両を提供するかという問いに対しても、シミュレーションを繰り返してきたが、投資額が大きく回収が非常に難しいだろうということになった」――。

 日高氏がこう語ったように、参入断念には2つの理由があったという。第1の技術的な課題は、鋼管を組み合わせた新構造の車体骨格「アイ・ストリーム(iStream)」である。iStreamは、F1で有名な英マクラーレン・レーシング(McLaren Racing)で車両開発を率いたゴードン・マレー(Gordon Murray)氏が提案する車体骨格である。鋼管の骨格に樹脂製の外板を張り合わせることを想定していた。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら