半導体や液晶、有機ELなどハイテク工場への投資が活発な中国湖北省の武漢市。そこで開催された光エレクトロニクス関連の展示会「中国光谷国際光電子博覧会」(2018年11月14~16日、中国光谷科学技術展示場)に参加する機会を得た。その概要を報告する。

 武漢には3つの国家級経済開発区がある。中心部から長江を挟んで東側に位置する武漢東湖新技術開発区は通称「光谷」と呼ばれる。筆者が量産立ち上げを支援している天馬微電子集団の第6世代の有機ELパネル新工場もこの光谷地区に位置し、近くには華星光電(CSOT:ChinaStar Optoelectronics Technology)の2つの工場(T3およびT4)がある。日系企業ではNECやパナソニックも光谷に進出している。

 光谷以外の特区では、中心部に近い武漢経済技術開発区にホンダや日産自動車といった自動車関連の大手企業が多数集まっている。アジア最大級のイオンモールもここにある。もう1つの特区である天河空港に近い臨空港経済技術開発区では、2018年4月に京東方科技集団(BOE Technology Group)の第10.5世代工場が着工した。

 光谷の英語表記は「Optical Valley」である。1990年代からシリコンバレーのような電子産業特区に育てたいとの地方政府の方針の基に様々な企業が誘致され、今年でちょうど30年の節目を迎えているそうである。「武漢光谷」ではなく「中国光谷」という表記をしているところに、「中国を代表する電子産業団地に育て上げたい」という地方政府の意気込みを感じる。

 長江の河口から約1000km上流にある武漢市は、人口1000万人を超える長江中流域の中心都市であり、様々な国際イベントが開催されている。例えば、残念ながら大阪なおみ選手は今年欠場してしまったが、「武漢オープン」はアジアでも指折りのメジャーな国際テニス大会である。ニュースで耳にした方も多いのではないだろうか。

 会場へは新しくできた地下鉄11号線を利用して移動した。光谷国際展示場の最寄り駅は光谷六路駅なのだが、まだ出口から会場への道路がほとんど工事中で、正直どこを歩いていいのか戸惑ってしまった。逆に言えば、地下鉄の駅以外は何も無いところなので、これから全く新しい街を一から作っていくということである。

 上海で新しい建物を建てるためには、まず既存の建物を壊して住居者に立ち退いてもらわなければならない。しかし、武漢のような内陸都市の郊外を開発する場合は全く違う。建物がほとんど無い場所に、ある日突然に立派な道路ができて、大規模なビルが見る見るうちに立ち並ぶことになる。毎月来るたびに景色が変わってしまっているのには本当に驚く。インフラ整備にこれだけの勢いで投資を行っているのを目の当たりにすると、まだまだ当分中国の経済成長は衰えることを知らないのではないかと思う。

会場となった中国光谷科学技術展示場
建物面積8.4万平方メートル、展示会用面積は21200平方メートルである。中国光谷国際光電子博覧会は今年で15年目を数える。
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