デンソーの半導体子会社エヌエスアイテクス(NSITEXE)は2018年12月13日、自動運転用半導体の新しい技術を投入した試験用のチップ(SoC:System on a chip)と基板を開発したと発表した。自動運転に必要な一部の計算で、低い消費電力と短い計算時間の両立を狙う。チップには新技術に加えて2種類のCPU(中央演算処理装置)を搭載した。CPUの種類によらずに使える「CPUフリー」である利点を訴求する。

 試験チップと基板を使うのに必要なソフトウエア(SDK/ドライバー/ライブラリー)を用意し、2019年春から数社と実証実験を始める予定である。なお試験基板を販売する計画はない。実証実験後、2019年末にIPコアを量産車用に顧客に提供したい考え。予定通りに進めば、車両の量産開始は2020年代前半になる。

 新技術は、エヌエスアイテクスが2017年に発表した「データ・フロー・プロセッサー(DFP)」と呼ぶ半導体のIPコア。自動運転に必要な計算の中核である「認識」「判断」「操作」のうち、「判断」の計算時間を短くすることを狙う。

 画像センサーのデータを計算し、周囲の障害物の位置や種類を把握する「認識」は、米エヌビディア(NVIDIA)が得意なGPU(画像処理半導体)が向くとされる。一方でエヌエスアイテクスのDFPは、「認識」した結果を基に車両の動く向きを決める「判断」の計算時間を速くできるという。

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(a)DFPは、GPUやCPUと異なるアーキテクチャー。(b)異なる種類の計算を効率的に処理しやすい特徴がある。エヌエスアイテクスの資料を基に編集部が作成。

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