Webアクセスに使われるプロトコルであるHTTP(Hypertext Transfer Protocol)に、新しいバージョンである「HTTP/3」が登場する。特徴は、トランスポート層のプロトコルとしてUDPを利用していることだ。従来のHTTPはTCPを利用する代表的な通信プロトコルの1つだった。HTTP/3はTCPではなくUDPを利用することで、Webアクセスの高速化を実現する。

 HTTPでは、HTTP/1.1というバージョンが広く使われている。加えて、通信効率を改善したHTTP/2もある。HTTP/2は、大量のWebアクセスを処理している米グーグル(Google)や米フェイスブック(Facebook)といったOTT(Over The Top)と呼ばれるサービス事業者が主に利用している。

 HTTP/3が登場したからといってHTTP/2がなくなるわけではない。しかし、HTTP/3はHTTP/2の目的である通信の効率化をより推し進めるものであることを考えると、将来はHTTP/2に代わってHTTP/3が使われるようになる可能性は高い。

 HTTP/2は従来のHTTPを置き換えるものであり、トランスポート層にTCPを利用する。これに対し、HTTP/3は、UDPおよびグーグルが開発した新しいプロトコルであるQUICを利用する。

HTTP/2の構成(左)とHTTP/3の構成(右)の比較。図中の「HTTP over QUIC」の名称が「HTTP/3」に決まった
出所:IETF
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 UDPは高速だが、TCPのように通信の信頼性を確保する仕組みを持っていない。そこで、従来のTCPが担っていた信頼性確保の仕組みをQUICが提供する。従来との互換性を確保するため、UDPの上でQUICが動作する構成を採る。

 QUICには、通信を始めるまでの準備時間(ラウンドトリップタイム)がTCPよりも短くて済むという特徴がある。これにより、HTTP/2よりも遅延を減らしてWebアクセスを高速化できる。

 またQUICは、従来はHTTPとは別にTLSとして提供されてきたWebサイトの暗号化機能を内蔵している。TLSの最新版であるTLS 1.3はQUICで利用することを念頭に開発されており、現在のQUICにはTLS 1.3の機能が内部に組み込まれている。

混同される「QUIC」と「HTTP over QUIC」

 HTTP/2は、グーグルが開発した通信プロトコルであるSPDYを基に、インターネット技術の標準化団体であるIETFが標準化したものだ。同様に、HTTP/3もグーグルが開発したQUICを基にIETFが標準化を進めている。

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