墜落事故を乗り越えて前に進む――。2018年11月8~9日にドイツ・ケルンで開催された電動航空機のイベント「Electric & Hybrid Aerospace Technology Symposium 2018」では、ドイツSiemens(シーメンス) Corporate Technology, executive vice president eAircraftのFrank Anton氏が登壇し、同社が近年注力している、航空機に向け電動化技術の研究開発状況について講演した。この中で、2018年5月31日にハンガリーで発生した、同社のモーターやインバーターを搭載した実証機による墜落事故に言及。死亡したパイロットと同乗した技術アドバイザーに哀悼の意を示すとともに、原因究明に全力を挙げつつ、今後も電動化技術の研究開発を継続する姿勢を見せた。「日本企業であれば、死亡事故が起きた段階でストップさせる」(ある日本人参加者)だけに、この事故を乗り越えて、航空機の電動化技術を事業の柱に育てようというSiemensの強い意志を感じる。

「Electric & Hybrid Aerospace Technology Symposium 2018」に登壇したSiemensのAnton氏(撮影:日経 xTECH)
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 Siemensは、決して人命を軽んじているわけではない。電動推進系の技術開発を継続している背景には、この墜落事故では、地面に衝突するまで、実証機における電動推進系は「完全に(faultlessly)動作していた」(Anton氏)ことがある。事故後の技術的な調査では、航空機の構造やシステムには、故障の証拠(痕跡)は見つからなかったという。現状、入手できたデータからは、飛行中に発煙や発火したことを示すものはなく、地面に衝突後に、初めて発火したとする。

 なお、利用した機体は、ハンガリーMagnus Aircraftが開発中の電動航空機「eFusion」である。この機体に、Siemensの電動推進系を搭載した。

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