AI(人工知能)を活用して既存のビジネスをどう変革していくか。今、あらゆる産業で開発が活発化しているテーマだが、スポーツもその一つである。11月14日~16日に幕張メッセで開催された「2018年国際放送機器展」(略称:Inter BEE 2018)では、放送事業者やコンテンツ配信事業者などに向けたAIを活用したスポーツソリューションが複数展示された。

 ソニーはAIを使った映像解析アプリケーションを参考出品した。試合の映像からAIが自動でハイライトシーンなどを抽出するもので、これまでのように人手で制作する場合に比べて大幅な時間短縮とコスト削減が可能だ。

ソニーが出展した映像解析アプリケーション。画面はサッカーの場合。ハイライト(ダイジェスト)シーンをAIで自動抽出し、そのシーンのみを選択して再生できる
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 ソニーの解析アプリは、人体のリアルタイムの姿勢推定技術と、ゴール、ボールなどの物体の認識技術を組み合わせてハイライトシーンを抽出する。リアルタイム姿勢推定は人体の18カ所の特徴点(目、鼻、首、肩、肘、腰、膝など)を検出、部分的に隠れている場合も検出可能という。

 解析アプリではサッカー、競馬、卓球でのハイライトシーンの抽出をデモした。例えば、サッカーではゴールとボールを検出してゴールシーンを見出し、さらにユニフォームの色やボールの位置、選手の姿勢などから攻撃の起点を判別してその部分からゴールに至った映像を切り出す。スコアボード上の文字を認識して得点をデータとして抜き出すなど、メタ情報の抽出も可能だ。

 競馬の場合は、1日に数多くのレースが行われ、全体の映像は3~4時間にもなる。そこで、競馬場のゴール板をあらかじめAIで検出しておき、さらに馬が走る音からレース中であることを認識し、ゴールシーンを自動で抽出する。

 競馬については、既に現場に試験導入されているという。全レースを撮影した映像をAIで20分程度に圧縮し、それを人手で編集している。

制作コスト90%以上削減

 「DAZN(ダ・ゾーン)」の成功などによって、ネットでのスポーツ配信ビジネスが急速に盛り上がりを見せている。特に、これまで放送波に乗らなかったアマチュアスポーツやマイナースポーツ関係者の期待は大きい。

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