AWS(Amazon Web Services)の米国西部リージョンから提供が始まった「VMware Cloud on AWS(VMC on AWS)」が、ようやく日本に上陸した。ユーザー企業のオンプレミス(自社所有)環境で稼働する業務系システムのクラウド移行が広がる中、VMwareユーザーの争奪をめぐり、先行する大手IT各社との競争が激化しそうだ。

 ヴイエムウェアは2018年11月12日、VMC on AWSをAWSの東京リージョンで提供開始した。米国西部リージョンでは2017年8月から提供している。米ヴイエムウェアとAWSが共同開発したVMC on AWSには、オンプレミス環境でVMware製品を使うユーザーに対し、AWSへの移行を促す狙いがある。オンプレミス環境とクラウドを相互運用するハイブリッドクラウドの構築も容易だ。

 VMC on AWSに似たクラウドサービスは、日本IBMや富士通、NTTコミュニケーションズなどが既に国内で提供している。各社は、VMwareユーザーがオンプレミス環境で動かす業務系システムを自社クラウドへ移行させるべく、しのぎを削っている。今回、VMC on AWSの東京リージョンでの提供開始は、先行企業をはじめとする競合各社にとって大きな脅威といえる。

 他社サービスとの比較も交え、VMC on AWSの特徴やクラウド環境への移行のポイントなどを見ていこう。

仮想マシンを無停止でクラウドへ

 VMC on AWSは、AWSのデータセンター内のベアメタルサーバーに、VMwareのクラウド基盤ソフト「VMware Cloud Foundation」を導入し、米VMwareがオンデマンドで提供するサービス。Cloud Foundationは、仮想サーバー(VMware vSphere)、仮想ストレージ(VMware vSAN)、仮想ネットワーク(VMware NSX)で構成する。

VMware Cloud on AWSの概要
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 VMware製品をベースに構築したシステムであれば、一切手を加えることなくVMC on AWSへ移行できる。オンプレミス環境でVMware製品のライセンスを持っているユーザー対しては「Hybrid Loyalty Program」と呼ぶディスカウントを適用。VMC on AWSのライセンス料を最大25%割り引く。

 VMC on AWSは、移行支援ツール「VMware HCX」を含む。ライブマイグレーション機能「vMotion」やデータレプリケーション機能などを提供し、オンプレミス環境からVMC on AWSへダウンタイムなく仮想マシンを移行する。HCXはネットワーク最適化機能を備え、大量の仮想マシンでも効率的に移行できるのが特徴だ。L2延伸と呼ぶネットワーク機能を合わせて使えば、IPアドレスの変更も不要である。

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