決済業界に動揺が広がった。2018年10月中旬のことだ。キャッシュレス決済関連の事業を手掛ける複数の企業に、1通の書面が届いたためだ。差出人は、京都地方裁判所。ある人物の債権を差し押さえたため、同人物に対する債務を支払ってはならないという内容だった。いわゆる債権差押命令である。

 差押命令を受けた債務者の欄には「高木純」の名前が記してあった。NIPPON Platform(旧NIPPON PAY、2018年9月25日に社名変更)の代表取締役社長を務める人物だ。

京都地方裁判所が高木純氏に出した債権差押命令
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脚光浴びたアマゾンとの記者会見

 高木氏は2018年8月28日、「Amazon Pay」の実店舗対応開始に関するアマゾンジャパンの記者会見に、加盟店開拓を担うパートナーである旧NIPPON PAYの代表として登壇。巨人アマゾンによる実店舗決済参入という話題性もあり、一躍脚光を浴びた。

 会見の席上で高木氏は、子会社のNIPPON Tabletを通じ、決済用タブレットの設置店舗を2018年度中に約5万7000店とそれまでの4倍近くに増やす計画を発表。「既に見込み数は約6万7000台ある。非常に簡単な目標数だ」と自信を見せた。

 高木氏は2014年に地球を一周し、「ケニアで普及する『M-PESA』にインスピレーションを受けた。日本でもキャッシュレス時代が来ると信じ、事業を始めた」。NIPPON Tabletは2018年9月19日時点で、キャッシュレス推進協議会の会員にも名を連ねている。

 キャッシュレス化の波に乗っているかにみえた高木氏に対して、なぜ債権差押命令が出たのだろうか。発端は、水戸地方裁判所下妻支部が下した2018年8月2日の判決だ。裁判の経緯を追うと、NIPPON Platformの代表を務めていた高木氏の別の顔が浮かび上がってくる。

「Amazon Pay」の実店舗対応について説明する旧NIPPON PAYの高木純代表取締役社長(右)とアマゾンジャパンの井野川拓也Amazon Pay事業本部本部長(左)
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