現在のシステム開発では、リリースサイクルの短期化が欠かせない。激しく変化するビジネス要求に対応しなければならないからだ。そのニーズに応えるツールがCI(継続的インテグレーション)ツールである。CIとは、ソースコードのコンパイル/ビルド/テスト/品質検査などの処理を自動化し、繰り返し何度も実行する手法。CIツールはこのような手法を手助けするもので、短いサイクルで繰り返しリリースし、市場の変化に素早く対応できるソフトウエア開発には必要なツールと言える。

 「CIツールの細かい設定作業を省き、開発者がよりコーディングに専念できる環境を整えたかった」。ディー・エヌ・エー(DeNA)で新規アプリ開発プロジェクトに携わるコマース&インキュベーション事業本部の春山誠氏は、ハンガリーのビットライズが提供するCIツール「Bitrise」の導入理由をこのように話す。

 CIツールの定番といえば、オープンソースソフトウエアの「Jenkins」が挙げられる。Jenkinsは無料で利用でき、1200以上のプラグインによって機能拡張が可能などの強みを持つ。社内のサーバーにインストールできるため、ユーザーが自由に使える点も見逃せない。

 しかし、Jenkinsは自由度が高い半面、使いこなすには相応の知識と経験が必要だ。難易度が高いと言える。このような理由からJenkins以外のCIツールが注目されている。その1つがモバイルアプリ開発に特化したクラウドベースのCIツールのBitriseだ。DeNAは社内の複数の開発プロジェクトでBitriseを採用し、利用を広げている。Bitriseは、JenkinsなどのCIツールに比べればまだまだ知名度は低い。では、DeNAはなぜBitriseの導入に踏み切ったのだろうか。

 Bitriseは開発するアプリのプラットフォームとして、AndroidやiOSなどに対応。(1)ビルドの一連のステップを記載したワークフローの設計がGUIで設定可能、(2)ビルドの成果物の保存領域が可変である、(3)ハードウエアやOSの管理が不要、(4)オートプロビジョニングの機能がある、といった特徴がある。

 2018年11月8日に開かれたコミュニティーイベントに登壇したビットライズのヴィクター・ベネイ最高技術責任者(CTO)は、日本におけるBitriseユーザーの増加を受けて「日本語でサポートできる人材を採用する」と発表。東京に新たなデータセンターを配備する可能性もあると語った。

iOSアプリの証明書組み込み作業も肩代わり

 DeNAでは、同社が提供する漫画閲覧サービス「マンガボックス」の開発プロジェクトで、2018年8月からBitriseの利用を開始している。同プロジェクトでは、もともとJenkinsを使ってCIを行っていた。

左からゲーム・エンターテインメント事業本部の神武里奈氏、コマース&インキュベーション事業本部の春山誠氏、システム本部SWETグループの井口恒志氏
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