NTTドコモとAGCは、窓に貼り付けられるガラスアンテナを共同開発した(図1~図3PDF形式のニュースリリース)。両社はこの技術を活用した基地局の商用サービスを、2019年度第1四半期(4~6月期)に東京都内で開始する計画。その後、全国展開を目指し、携帯電話のサービスエリア拡充を図る。まずLTEの周波数帯の基地局へ展開する。さらに、将来の5Gでの利用に向けて、5G対応のガラスアンテナの開発も検討する。両社は発表に当たり、2018年11月7日に都内で共同記者会見を開催した。

 ガラスアンテナの実用化によって両社が目指すのは、人口が集中する都市部で安定な高速通信環境を提供すること。移動体通信の通信速度改善の切り札として、NTTドコモはスモールセル基地局の設置を推進している。スモールセル基地局は、通常の基地局(主にマクロセル基地局)のエリア内に設置する、小さなサービスエリアを構築するもの。これによりトラフィックの分散を図る。

 現在のスモールセル基地局用のアンテナは主に、ビルの屋上や中低層階の壁面に設置されている。しかし屋上や壁面は、設置できる場所が限られる。しかも、屋上に設置する場合、サービスエリアが広くなりすぎてしまい、通信速度の改善への効果が小さい。一方、中低層階の壁に設置する場合、街の景観が損なわれてしまうため、ビルの所有者や管理者との交渉が難航するという問題があった。

 ビルの中低層階の屋内にアンテナを設置できれば、これらの問題を回避できる。ただし、屋内へのアンテナ設置においては、(1)室内のデザイン性を損ねてしまう、(2)建物を通過した電波が減衰してしまう、という2つの大きな課題があった。これらの解決策として両社が共同開発したのが、透明で目立ちにくく、窓を通過した際の電波の減衰を抑えた今回のガラスアンテナである。

 両社は2018年9月に実証実験を実施しており、スモールセル基地局としての十分な性能を確認済みだとしている。なお、基地局用の無線装置は天井裏に設置し、ガラスアンテナとは配線ケーブルで接続することを想定している。アンテナへの給電にもケーブルを使う。

図1 ガラスアンテナを窓に貼り付けた様子
(画像提供:AGC)
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図2 ガラスアンテナ
(画像提供:AGC)
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図3 ガラスアンテナによる基地局化のイメージ
(画像提供:AGC)
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