「相当思い切って見直さなければ旧来型の金融機関は存続していられないという問題意識があった」。あいおいニッセイ同和損害保険は業務フローのデジタル化やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用による業務改革プロジェクトに乗り出した。プロジェクトを統括する黒田正実副社長は強い危機感をこう明かす。

まずは徹底的に業務を見直す

 同社は2段階でデジタル変革を推進する方針だ。まず、紙での手続きが中心だった既存業務の徹底的なデジタル化に取り組み、無駄な作業をなくして従業員の「余力」を生み出す。次に、その余力を使って新しい保険サービスの開発や顧客の満足度向上施策などを加速する。「既存業務を徹底的に見直して効率化しないと、新しいことに挑むための経営資源が生まれてこない」(黒田副社長)として、まずは見直しを徹底的にやる考えだ。

あいおいニッセイ同和損害保険のデジタル変革の考え方
(出所:あいおいニッセイ同和損害保険)
[画像のクリックで拡大表示]

 「見直すべき業務が山ほどある。まだまだ紙でのやりとりが多いし、申請して承認するという同じような業務なのに何十パターンにも分かれていたり、営業拠点と本社とで入力作業を二重にやっていたりする」(黒田副社長)。そこで同社は紙の代わりにデジタルデータを流すワークフロー基盤として米マイクロソフト(Microsoft)のクラウド型基幹業務システム「Dynamics 365」の採用を決めた。

 データの入力や収集などの定型業務は米ユーアイパス(UiPath)のRPAツールなどを使ってソフトウエアのロボット(ソフトロボ)に自動的に実行させて、人による手作業を極力減らす。AI(人工知能)やOCR(光学的文字認識)などの技術の活用も検討する。2021年度に業務量を延べ138万時間分削減するとともに、紙の使用量を現在の年間約1200トンから半減させる目標を掲げる。

 2018年度から3~4年間かけて全社の業務改革に取り組んでいく。黒田副社長は「全社展開したときの投資額と効果はまだ明確になっていない」とし、やれるところから順次取り組む姿勢を示した。効果がありそうなところから手をつけて、その成果を見ながらプロジェクトを推進する方針だ。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)は12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら