2018年1月に最初の感染が報告されてから、海外で多くの被害を引き起こしているランサムウエア「GandCrab(ガンクラブ)」。国内でも奈良県の宇陀市立病院が被害に遭った。電子カルテシステムのサーバーが感染し、1133人分の診療データが暗号化されたという。
ところが2018年10月下旬、GandCrab被害者に朗報が届いた。ルーマニアのセキュリティー企業が、GandCrabで暗号化されたデータを復元するソフトを公開したからだ。
感染地域に偏りがあるGandCrab
GandCrabは、コンピューターに感染するとハードディスクなどに保存されたファイルを暗号化して、ファイルを復元する代わりに身代金を要求するWebページを表示する。Webページには暗号化されたファイルを1つだけ試しに復元する機能が用意されている。攻撃者はこの機能によって、ファイルを復元する能力を持っていることをユーザーに示し、身代金を確実に支払わせようとしている。こういった挙動は、多くのランサムウエアと同じだ。
特徴の1つは、感染地域に偏りがあることだ。GandCrabが見つかった当初は、米国や英国、カナダなどの英語圏の国の他、フィンランドやノルウェー、スウェーデンなどのスカンディナビア半島にある国を中心に被害が見つかっていた。
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