光ファイバーを通して電波を直接送ることで、高速な無線通信のバックボーンを安価に実現する。それが「光ファイバー無線」という技術だ。以前からある技術だが、再び注目を集めるようになっている。

 背景にあるのは、2020年にも開始予定の第5世代携帯電話(5G)だ。5Gのバックボーンネットワークの構築に光ファイバー無線が使えるのではないかと期待されている。

 「光ファイバーで電波を送る」と聞くと、「電波は光ではないから送れないのではないか」と考えるかもしれない。その通りだ。実際には、電波の波形をそのまま光の波形に変換して送信する。

 光ファイバーのネットワークに接続された基地局などの従来のシステムでも、光で送った情報を基に電波を発信している。光ファイバー無線が従来のシステムと異なるのは、信号処理が不要な点だ。

従来の方式と光ファイバー無線の違い
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 光通信と無線通信は、一般には異なる方式を用いる。このため、従来のシステムでは光の信号をいったんデジタル信号に変換し、無線通信に合わせるために信号処理を施した後に電波を発信する必要があった。

 これに対し、光ファイバー無線は電波の情報をそのまま光ファイバーで送信する。これにより、デジタル信号への変換や信号処理が不要になる。電波のアナログ情報をそのまま光ファイバーで送って電波として送出するイメージだ。

5Gの基地局のコストを削減

 従来の携帯電話は、数百MHzから数GHzの周波数帯の電波を使っている。このため、1個の基地局が数kmの広い範囲をカバーする。

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