ルネサス エレクトロニクスは、同社の車載SoC(System On Chip)「R-Car」が2019年に欧州の自動車メーカーが発売する電気自動車(EV)の車載コンピューター(ビークルコンピューター)に採用されたと発表した。2018年10月17日に開催したパートナー企業向けイベント「R-Carコンソーシアムフォーラム」の記者会見で同社執行役員兼オートモーティブソリューション事業本部CTOの吉岡真一氏が明らかにした。

ルネサス執行役員兼オートモーティブソリューション事業本部CTOの吉岡真一氏
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 R-Carの種類は明かさなかったが、「車載ネットワークの最上層に位置するビークルコンピューターに採用された」(同氏)という。この欧州自動車メーカーは2019年に発売するEVからクルマの電気/電子(E/E)アーキテクチャーを刷新し、ビークルコンピューターと呼ぶ中央処理型の電子制御ユニット(ECU)を導入する。ビークルコンピューターがさまざまな車両制御用ECUを束ね、統合管理する形態になる。

E/Eアーキテクチャーの変化(出所:ルネサス)
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 これまでも車両制御用ECUを束ねるECU(ゲートウエイ)はあったが、ビークルコンピューターは各ECUに処理を割り振るだけでなく、それ自体が処理の一部も担う。このため、「高い演算性能を持つSoCが必要になる」(同氏)という。

 ビークルコンピューターはOTA(Over The Air)によって車両制御用ECUのソフトウエアを更新する機能も担う。このため、「車両制御用ECUに関する知識やノウハウが不可欠で、高性能なチップだけでは不十分」(同氏)とする。ルネサスは車両制御用のマイコンで高いシェアを持つ。その強みが今回の採用につながったようだ。

 今回採用が決まったビークルコンピューターは、自動運転機能は持たない。「自動運転はビークルコンピューターよりも下位の階層のECUが担う」(同氏)という。ただ、2022~25年に登場する次世代のビークルコンピューターは、自動運転機能も統合する可能性が高い。自動運転向けのチップは米エヌビディア(NVIDIA)や米インテル(Intel)といったIT系の半導体メーカーが強く、今後こうした企業との競争が激化しそうだ。

 次世代のビークルコンピューターに関しても、ルネサスは多くの自動車メーカーと技術検討を進めているという。特に処理の一部をクラウド側で行ったり、逆にエッジ側(クルマ側)で処理したりする機能が必要になることから、クラウド関連企業とも技術検討を進めている。

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