IoTネットワーク向けの新しい通信規格「NIDD(Non-IP Data Delivery)」に世界中の携帯電話事業者が注目している。国内ではソフトバンクが、NIDDの商用ネットワークにおける実証実験に世界で初めて成功したと発表している。同社の宮川潤一 副社長執行役員 CTOは、同技術を「IoT普及の切り札として以前からやりたかった規格」と強調する。

 NIDDは、IP(Internet Protocol)を使わないという大きな特徴を持つ。ソフトバンクは2018年9月末に開いた説明会において、NIDDのメリットとして「消費電力の削減」「大量展開のしやすさ」「高セキュリティ」を挙げた。ただ、IPを使わないことで、なぜ3つのメリットを実現できるのか分かりにくい。その理由を図を交えて見ていこう。

NIDDの三つのメリットについて説明するソフトバンクの宮川潤一 副社長執行役員 CTO
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NIDDのネットワーク構成

 NIDDを導入したネットワーク構成を図に示した。従来のLTEとIPを使ったデータ通信は、下側の経路を使う。デバイス(UE)からのパケットはLTEで基地局(eNB)まで送られ、そこからパケット交換機(S-GWやP-GW)を経由し、インターネットなどのIPネットワークを通じてIoTプラットフォーム(AS)に届く。

NIDDを導入したネットワーク構成
ソフトバンクの資料などに基づき作成
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 今回のNIDDを導入したネットワークでは、上の経路を利用する。デバイスから基地局まではNB-IoTで通信する。基地局からMME、SCEF、SCSという装置を通って、IoTプラットフォームまでデータが届けられる。

 NB-IoTは、低速だが消費電力が極めて小さい、IoTに特化した無線通信規格である。NIDDでは様々な無線通信規格が使えるが、仕様としてはNB-IoTは必須と規定されている。

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