VR(Virtual Reality)体験者を補助するために大人数のスタッフを用意する必要がある上に、ヘッドマウントディスプレー(HMD)端末の稼働率が低くロスが多い。VRのアトラクションをそろえた「施設型VR」の運営に共通する課題だ。この解決を目指した新しい施設型VRコンテンツ「オルタランド」を、ハシラス(東京都中央区)が、2018年9月20~23日に幕張メッセで開催されたゲーム業界の世界最大級の展示会「東京ゲームショウ2018」で展示した(関連記事)。

 オルタランドは、1つの施設型VRコンテンツの中に複数のアトラクションがある遊園地のような形態のコンテンツで、最大16人が同時に体験できる。一度入場すればHMDを外すことなくVR内でアトラクションの案内を受けられるようにしたことで、体験者を補助するスタッフの人数を半数近く削減した。また、HMDの稼働率も向上したという。

「東京ゲームショウ 2018」でのハシラス出展ブース
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 オルタランドは3つの点で課題解決につながっている。まず、入場時にHMDをかぶれば、何度もHMDを着脱する必要がなく自由に遊び回れるので、機器の着脱に関わるスタッフ人数と着脱時間のロスを削減できる。ハシラスの担当者によると、これまでのイベント出展時に比べて、課題解決への効果を実感したという。一度HMDを装着してしまえば入場後は自由に遊んで回れるため、HMDの着脱にかかる時間の削減などにより回転率が向上し、「収益化に貢献するのは間違いない」(ハシラス担当者)。

 次に、アトラクションの説明をVRで案内することで、各アトラクションに必要だった説明用のスタッフ人数を削減できる。最後に、施設全体の定員に達するまで体験者は入場可能でHMDを利用できるため、HMDの稼働率が高い。例えば、HMDの利用時間に応じて利用料を徴収したり、体験者が施設に入場する時に入場料を徴収したりすれば、機会損失(ロス)がほぼなくなる。一方、アトラクションごとにそれぞれ体験者を受け入れていた従来の方法では、体験者の人数がプレー可能な最大人数に達しない場合に、無視できない機会損失が生じてしまう。

 今回の展示では、初出展を考慮してスタッフを多めに配置していたものの、補助スタッフの人数が5~10人と従来の半数程度に抑えられたという。これまでは体験者と同じ人数の補助スタッフが必要で、例えば16台の機器で16人が体験する場合、1台につき1人のスタッフを配置して、合計16人のスタッフを用意する必要があった。一方、オルタランドでは、入り口での着脱に2人、中での補助に3人といった具合に、合計5人程度のスタッフで補助できるようになる計算だ。

「オルタランド」の中の様子
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