神奈川県と小田急電鉄、小田急傘下の江ノ島電鉄は2018年9月6日から16日にかけて、同県藤沢市江の島周辺の公道で自動運転バスを走らせた。

江の島を背後に走る自動運転バス
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 同様の実証実験は全国各地で実施されているが、江の島の実験は11日間にわたって平日12便(6往復)、休日5便(片道)を運行し、関係者と一般モニターの合計約600人を運ぶという大規模なものだった。ただし「完全無人運転」という理想とは異なる現実的な課題も見えてきた。

五輪会場で自動運転アピールもくろむ

 実験ルートは、対岸の「江ノ島海岸バス停」から江の島大橋を経由して江の島に渡り、島内南端の江の島ヨットハーバー(小田急ヨットクラブ)に至る約1キロメートル。最高時速30キロメートルで、所要時間は約7分だ。

 江の島ヨットハーバーは2020年東京五輪のセーリング種目の競技会場である。地域の先進性を世界にアピールする絶好の場だ。黒岩祐治神奈川県知事は自動運転バスの出発式で「今後の実証を通じて、2020年には『レベル4』相当で無人運転バスを走らせるところまで進めたい」と意気込みを述べた。レベル4は一定条件下で運転手が同乗せずに自動運転する水準を指す。

出発式であいさつする神奈川県の黒岩祐治知事
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 小田急にとって、江の島は鉄道沿線最大級の観光スポットである。五輪をアピールの契機にしたいのは神奈川県と同じだ。

 最寄りである片瀬江ノ島駅から江の島までは1キロ程度あり、歩くにはやや遠い。狭い島内に自家用車を停められる駐車場は少なく、公共交通を充実させたいところだ。県・小田急にとって自動運転バスを走らせたい状況はそろっている。

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