米Nutanix(ニュータニックス)の創業者であり会長兼CEO(最高経営責任者)であるDheeraj Pandey氏が、東京で開催されたプライベートイベント「Nutanix .NEXT ON TOUR IN TOKYO 2018」(2018年9月21日)のために来日した。Pandey氏が提唱する「Enterprise Cloud OS」の具体的な役割、競合製品に対する優位性などを聞いた。

(聞き手は神近 博三=日経 xTECH)
NutanixのChairman, Founder & CEOであるDheeraj Pandey氏

米NutanixはストレージやCPUなどのリソースを仮想化して、必要に応じて仮想マシンに割り当てるHCI(Hyper Converged Infrastructure)の代表的ベンダーとして知られている。だが、Pandey氏は講演などで「HCIは理想に向かう旅の第1章に過ぎない」「将来はHCIを『Enterprise Cloud OS』へと発展させる」と繰り返し述べている(関連記事「マルチクラウドに一貫性ある利用体験を提供」「HCIは第1章、我々の旅はまだまだ続く」)。Enterprise Cloud OSとは具体的にどのようなものか。

 Enterprise Cloud OSは、オンプレミス(ユーザーが運用するデータセンターなど)とオフプレミス(パブリッククラウド)のシステムが混在するマルチクラウド、ハイブリッドクラウド環境のユーザーエクスペリエンス(利用体験)をシンプルにするものだ。私はクラウドのスタックを3つのレイヤーに分けて考えている。ストレージ、ネットワーキング、セキュリティー、ハイパーバイザーなどのIaaS(Infrastructure as a Service)、ミドルウエアや開発環境のPaaS(Platform as a Service)、それにアプリケーションのSaaS(Software as a Service)だ。NutanixのHCIは、ストレージ、ハイパーバイザー、ネットワークなどのIaaSを見えなく(Invisible)した。Enterprise Cloud OSでは、最終的にクラウド自体を見えなくして、マルチクラウドの利用体験に一貫性を持たせることを目指している。

 マルチクラウドがなぜ必要になるかというと、ユーザーがクラウドを所有することと借りることを両立させたいと考えているためだ。理由は3つある。1つはレギュレーションやコンプライアンスの制約で、データを手元に持たなければならないケースがあることだ。医療、金融などの業界にそうした規制が存在する。2つめは物理的な制約だ。一定の性能を確保するために「このデータはこの場所になければならない」というアプリケーションがある。例えば、IoT(Internet of Things)ではエッジ側でデータを処理することが多い。そして3つめが経済的な理由だ。パブリッククラウドが広く普及したことで明らかになったが、借りる方が所有するより高くつくことは少なくない。

NutanixのHCI製品は、基本的にオンプレミスで稼働するものではないのか。

 オンプレミスだけでなく、パブリッククラウドでNutanix製品が稼働する「Nutanix Xi Cloud」も提供している。Xi CloudはiPhoneにとってのiCloudに相当するものであり、DR(ディザスタリカバリー)などの機能を実現する。ユーザーはクラウドかどうかを意識することなく、オンプレミスのアプリケーションをワンクリックでXi Cloudへと移動できる。このXi Cloudによってマルチクラウド、ハイブリッドクラウドの世界が完成する。

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