「強敵と思っていたけれど、どうやら違うようだ」――。

 SUBARU(スバル)で、中型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「フォレスター」を開発する技術者らがほっとする。ホンダが2018年11月に国内で発売する「CR-V」のハイブリッド車(HEV)と、事実上競合しないからだ。CR-VのHEVは、約378万円から。フォレスターHEVの約310万円からに比べて、70万円近く高い。車両寸法は近いが、消費者が見比べて迷う価格差を大きく超えている。

左がフォレスターで全長4625×全幅1815mm、右がCR-Vで全長4605×全幅1855mm。

 スバルにとって、強敵とみられた競合車が一つ消えたわけだ。日産自動車「エクストレイル」やマツダ「CX-5」などはあるが、発売時期が後のスバルは競合の手の内を把握している。2019年春にトヨタ自動車が「RAV4」を発売するまで、優位な立場で販売しやすくなる。

 ホンダとスバルの最大市場である北米で、CR-Vとフォレスターは真っ向勝負する。ホンダが国内でCR-Vを復活し、HEVモデルを投入すると知ったときにスバルは身構えた。だがCR-Vの高い価格設定を聞いて、胸をなで下ろす。「なぜこんなに高くしたのか」と、スバルの技術者が思わず疑問を投げかけるほどだ。

 ホンダはCR-Vの価格設定について、「安くないと思っている」(ホンダ執行役員で日本本部長の寺谷公良氏)と認める。背景には国内の販売競争に勝つことよりも、小型SUV「ヴェゼル」の国内販売を守ることを重視したことがある。寺谷氏は「ヴェゼルよりも上級、高級を求めている人に妥当(な価格)」と主張し、ヴェゼルとのカニバリ(共食い)を避けた。

 ヴェゼルのHEVの販売価格は、約268万円から。CR-Vは約100万円高の大差で、迷う消費者はいないだろう。仮にフォレスターと勝負する価格に設定していると、ヴェゼルの顧客の一部がCR-Vに流れる可能性は高かった。

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