クルマの自動運転を実用化する試みが世界中で活発である。自動運転の実現で半導体ICの果たす役割は大きい。このため、ICには、これまで以上に確実に動作することが求められる。確実に動作するかどうかをチェックするのが半導体テストである。自動運転向けICの新たなテスト技術を、国内3大学がそれぞれ提案した。

 3大学の提案は、「DAシンポジウム2018」(8月29日~31日に石川県で開催、関連記事)の「ディペンダブルコンピューティング」というタイトルの特別セッションで行われた。登壇したのは、登壇順に、日本大学の新井雅之氏(生産工学部 数理情報工学科 准教授)、首都大学東京の福本聡氏(システムデザイン学部 電子情報システム工学科 教授)、愛媛大学の高橋寛氏(大学院理工学研究科 工学部 理工学研究科長 工学部長 教授)である。

マスクパターンを見てテストを効率化

 日大の新井氏は、車載ICではフィールドでの不具合が発生しないようにゼロDPPM(Defective Parts Per Million)という厳しい品質基準を求められることが当たり前になったとし、半導体テストの役割がこれまでに以上に重要になっていると訴えた。不良品が出荷されないようにするには、徹底的にテストすればよい。ただし、テストの時間が増大し、テストコストが上昇してしまう。そこで、同氏が提案したのは、テスト対象ICのマスクレイアウトをチェックして不良になりそうな箇所(クリティカルエリア:CA)を優先してテストパターンを生成する手法である。

新井雅之氏。日経 xTECHが撮影

 CAは不良になりそうな度合に応じてランク付けして、2段階でテストパターンを生成する。まず、不良になりそうな度合の高いCAに含まれる故障を検出できるテストパターンを生成する。そして、残りの故障をテストパターンを生成するが、この際にテストパターンの並べ替えを行う。こうした方法でテストパターンを生成することで、マスクパターンを見ていない(すなわちロジックだけを見る)既存のテストパターン生成手法に比べて、少ないパターン数でのテスト(≒短いテスト時間≒小さなテストコスト)でも高い不良検出率を達成できるとした。同氏が行った評価では、テストパターンを60%に圧縮できたという。なお、今回、対象したのは、ブリッジ(短絡)故障とオープン(開放)故障である。

提案されたテストパターン生成手法の処理の流れ。日本大学のスライド
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