秋田県立大学は、厚さ150μmと薄い木の板(プライ)を貼り合わせた独自開発の合板と、この合板を樹脂(プラスチック)と接合する技術を、「イノベーション・ジャパン2018」(2018年8月30~31日、東京ビッグサイト)で出展した。木材の軽さと合板の頑丈さ、樹脂の自在な成形性を合わせ持つ複合材料として、様々な用途での利用に期待する。

 秋田県立大が展示したのは、独自開発の木質材料「木質マイクロプライ」と、同材料を樹脂と接合させた木質/プラスチック複合材料である。木質マイクロプライは、複数のプライを貼り合わせて作る「ベニヤ合板」の接着剤の量を減らして合板を薄く成形したもの。

木質マイクロプライのサンプル
手前と奥が、7枚の薄い板を接着した木質マイクロプライ。中央は木質マイクロプライを構成する1枚の薄い板(プライ)
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 一般的に、合板は同じ厚さの無垢材と比べて重い。その原因は接着剤にある。秋田県立大学 システム科学技術学部 機械工学科 助教の境英一氏によれば、合板の製造に必要な接着剤の量については、これまであまり研究されてこなかった。そこで、接着剤の量を限界まで減らしたところ、従来の20分の1まで削減でき、高い剛性を維持しながら軽量な合板を作成できたという。

 一方で、木質マイクロプライ単体では複雑な微細構造の成形が難しく、応用範囲は限られる。そこで同大学は、成形性の高い樹脂と木質マイクロプライを接合させる技術を開発。あらかじめ木質マイクロプライを設置した金型に樹脂を射出成形することで、複合材料を実現した。

 木材は親水性のため、本来ならば石油由来の樹脂との接合は難しい。今回の手法では、射出成形の過程で溶けた樹脂が木の仮道管(針葉樹)や道管(広葉樹)に入り込み固まることで、木と樹脂が微細なはめ合い構造を形成し、高い強度で接合する。この技術を用いて、スギやヒノキ、カバで作成した木質マイクロプライをそれぞれ樹脂と接合したところ、仮道管が多く低密度なスギの接合強度が最も高かった。

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ブースで展示した説明パネル

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