エンターテインメント業界を中心に、VR(Virtual Reality)やAR(Augmented Reality)技術を使った新しいイベントが盛り上がりを見せている。出演者は、実在するフィジカルな存在のアーティストではなく、デジタルデータのキャラクターである。多くのキャラクターを持つコンテンツホルダーにとっては、1つのコンテンツを多様なメディアに展開する「メディアミックス」の新たな選択肢となりそうだ。

VRイベントの例
(出所:クラスター)
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ARイベントの例
(出所:バンダイナムコスタジオ)(C)INCS toenter Co.,ltd. All rights reserved. (C)Sony Music Labels Inc. All rights reserved.
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 現在、キャラクターを利用したイベントには大きく2種類ある。1つは、仮想空間にキャラクターが存在し、参加者がVR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)を装着して楽しむVRのイベントである。もう1つは、現実空間にキャラクターを呼び出すかのように、劇場などの施設でキャラクターをスクリーンや透過ディスプレーなどに投影して楽しむARのイベントである。

 VRイベントが盛り上がるきっかけとなったのは、「バーチャルYouTuber(VTuber)」と呼ばれる、主に動画配信サイトを活動の場とするデジタルキャラクターだ。VTuberは、実在するアーティストと異なり物理的な身体を持たない。従来は、ファンに対する一方的な動画配信が主な活動だった。デジタル空間でファンと交流するイベントを開催したいと思っても、参加人数の制約などがあり、満足できるイベントができなかった。最近になって、後述する「cluster.」の登場で、数千人規模のイベントを開催できるようになった。

 一方、ARイベントは、クリプトン・フューチャー・メディアの「初音ミク」のライブをはじめ、それなりの歴史がある。これまでは、主にアニメやゲームなどの作品中で歌や踊りを披露するキャラクターのイベントとして利用されてきた。ファンにとっては好きなキャラクターが現実空間で動いているだけでも心を打たれるが、最近ではキャラクターが実際に存在している感じ(実在感)を高めるための演出や、出演者と参加者が双方向でやり取りする「コール・アンド・レスポンス」への対応によって、イベントとしての質を高める動きが目立ってきた。本記事で紹介する、バンダイナムコグループの「CG STAR LIVE」や「BanaCAST」が代表的な事例だ。

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