米国防総省(DoD:Department of Defense)の研究開発期間であるDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)は、米国半導体に新たなイノベーションをもたらす技術を開発するプロジェクト「ERI:Electronics Resurgence Initiative」を進めている。2018年7月23日~25日には、ERIの初の大型イベント「ERI Summit 2018」をサンフランシスコで開催し、目玉の6つの新テーマに携わる組織を発表した。米Intel社などの大手半導体メーカーや米Synopsys社などの設計ツールベンダー(EDAベンダー)、米Stanford Universityなどの大学が名を連ねた。

ERI Summit 2018会場の様子。DARPAの写真
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 DARPAはずっと以前から半導体関連のR&Dに力を入れてきた。例えば、IC(半導体集積回路)設計で使われる2大HDL(Hardware Description Language)の1つ「VHDL:VHSIC HDL」は、その名の通り、DARPAの1980年代のプロジェクト「VHSIC:Very High Speed Integrated Circuit」の成果である(関連記事)。ERIの発起にはいくつかの背景があるが、いわゆるMooreの法則(MOS製造技術の微細化)の終焉もその1つだ。微細化を着実に進めることによって、半導体は米国の国防はもとより、さまざまな産業の発展に寄与してきた。微細化のペースが鈍っても、米国の国防や産業発展に支障を来たさないようにすることが、ERIの大きな狙いである。

 DoDは2017年6月1日にERIを発表し、DARPAに2億米ドル(約222億円)を超えるERI関連予算を2018年分として配することを明らかにした(ニュースリリース1)。同年9月13日の発表では、2018年のERI関連予算は2億1600万米ドル(約240億円)に詳細化され(ニュースリリース2)、このうち、1億4100万米ドル(約157億円)が既存テーマ(Foundation Program) でERIに組み込まれた部分、7500万米ドル(約83億円)が新テーマ(Page 3 Program)分である。また、少し先を見据えた産学協同研究「JUMP:Joint University Microelectronics Program」(ニュースリリース3)もERIに組み込むことが発表された。

ERIの構造。DARPAの図
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