NTTが通信会社からIT企業への変革に向けてついに覚悟の一歩を踏み出す。国内外のIT事業を統括する新会社を設け、NTTコミュニケーションズやNTTデータなどを一体運営する。新会社は富士通を上回り日本最大のIT企業となるほか、NTTグループの「長兄」役の期待も背負う。

 日経コンピュータの特報によって、NTTが約20年ぶりの大型再編に踏み切る事実が明らかになった。NTTは国内と海外のIT事業を統括する新会社を設け、NTTコムとNTTデータのほか南アフリカのディメンションデータを新会社の配下に置く。新会社は国内外でシステム構築や運用保守、クラウドサービス、データセンター、国際通信などの事業を幅広く提供する総合ITサービス企業となる。

新会社の売上高合計は富士通を超える
図 NTTグループに新設されるIT事業統括会社と傘下企業の2018年3月期の売上高。*会計基準は国際会計基準(IFRS)。2017年1月1日から12月31日までの期間損益を2017年度連結損益に計上
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 NTTデータが基幹システムの運用開発を請け負う顧客企業にNTTコムのデータセンターの利用を提案するなど、新会社が傘下企業の相乗効果を発揮しやすくする。NTTデータは欧州の自動車大手や米国の医療系企業などに強く、NTTコムは全世界約140カ所でデータセンター事業を手掛ける。互いの客を融通し合って新会社の成長につなげる。

 NTTグループのIT事業はNTTデータとNTTコムが共にクラウドサービスを手掛けるなど重複があった。国内に比べてNTTのブランド力が通用しにくい海外での認知度向上も課題だった。新会社はこれらの解決を狙う。

20年ぶりの大型再編

 NTTが大型再編に踏み切るのは約20年ぶりだ。1999年7月に東西地域会社と長距離・国際通信を担うNTTコムなどに分割・再編された。郵政省(現総務省)が米AT&Tの分割を手本として競争活性化を図る狙いで仕掛けた再編だったが、AT&Tと異なり資本の分離はNTTの抵抗で実現しなかった。持ち株会社が主要グループ会社を傘下に収める体系となった。

 この10年ほどは市場拡大が見込みにくい国内通信事業に代わる新たな収益源としてITサービス事業を位置づけ、着実に事業変革を進めてきた。IT事業の再編についても噂が何度も出ては消え、また浮上するといった動きを繰り返してきたが、ようやくこのタイミングで実現に踏み切った。

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