2016年5月に羽田空港で発生した大韓航空機のエンジン発火事故は、製造時の不具合によってタービンディスクの一部が破断したことが原因と考えられることが分かった。事故原因を調査していた運輸安全委員会が調査報告書を公開した(調査報告書説明資料)。破断した破片がエンジンケースを貫通した際に漏れた燃料・潤滑油に引火したとみられる。

図1 出火した大韓航空2708便(ボーイング777-300型)
離陸走行中に左エンジンから出火した。(出所:国土交通省)
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 この事故は、2016年5月27日、大韓航空2708便(ボーイング777-300型)が、羽田空港(東京国際空港)の滑走路34Rから韓国・金浦国際空港に向けて離陸滑走中、左側のエンジン(第1エンジン)から火災が発生したというもの。機長ほか乗務員16名、乗客302名の計319名が搭乗しており、離陸を中止して滑走路上で非常脱出した際に乗客40名が軽傷を負った。

 火災を起こしたのは、米プラット&ホイットニー(Pratt&Whitney)製の「PW4090型」エンジン。低圧/高圧の2段の圧縮機・タービンからなるターボエンジンで、このうち高圧タービンの「高圧タービン・ディスク」(HPT)と呼ぶ円盤状の部品の一部が破断した(図2、3)。HPTの外周部近くには、U字状の溝が形成されている。この溝を加工した際、溝の底に高さ0.254mm(0.01インチ)の微小な段差ができ、飛行のたびにここに繰り返し応力が掛かったために、ここを起点に亀裂が発生。それが進展して破断したと考えられるという。

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図2 PW4090型エンジンと高圧タービン・ディスク
(出所:国土交通省)
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図3 高圧タービン・ディスク
外周近くにU字状の溝がある。ここの底部の微小な段差が亀裂の原因となった。(出所:国土交通省)

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