ディーゼルエンジンの復活を狙うマツダが、起死回生の一手を繰り出した(前編)。排気量を1.5Lから1.8Lに増やす常識を覆す発想で、尿素SCR(選択型還元触媒)を使わずに厳しい窒素酸化物(NOx)排出量規制を達成する。撤退するメーカーが出る逆風の吹き荒れるディーゼル開発で、“逆張り”のマツダが真骨頂を発揮した。

 ディーゼル再興をもくろむのは、マツダにとどまらない。ドイツBMWと同ダイムラー(Daimler)、同フォルクスワーゲン(Volkswagen、VW)の“ジャーマンスリー”は、新しく投入するディーゼルで、欧州で始まる実走行中の窒素酸化物(NOx)排出量を規制するRDE(Real Driving Emission)の第1段階に対応。加えて、他機種と多くの部品を共通にするモジュラー化に力を注いだ。部品コストを減らして、規制対応に伴うディーゼルのコスト上昇を抑える。

ダイムラーのディーゼルエンジン。写真は排気量2.0Lの「OM654 D20」。(出所:ダイムラー)

 ドイツ勢は、今も排ガス不正問題の影響を受け続ける。2018年6月には、VWグループ中核のアウディ(Audi)の最高経営責任者(CEO)が逮捕された(関連記事)。不正問題に関与した容疑をかけられる。

 さらにドイツでは、ディーゼル車の市街地への乗り入れを禁止する規制の検討が進む。2018年1~6月のディーゼル車のシェアは、前年同期比20ポイント減の32%と壊滅的だった。

 これほど強い逆風下にも関わらず、ジャーマンスリーがディーゼル開発を継続する意思を強調するのは、撤退のリスクが大きすぎると考えるからだ。排ガス規制と並んで欧州で厳しくなるCO2排出量規制への対応に、ドイツ勢がディーゼルの代替として力を注ぐEVに頼るのは心許ない。

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