ソフトバンク子会社のファーストサーバは2018年6月19日から7月9日にかけて、レンタルサーバーサービス「Zenlogic(ゼンロジック)」で大規模なシステム障害を起こした。障害そのものや障害時の対応をめぐり、利用者の間に不信感が広がっている。同社は影響を受けた顧客数を「約3万社の顧客のうちの一部」(広報)としか公表していないが、長野電鉄のような中堅中小企業や個人事業主、公共団体などの利用者に事業が滞る支障が出た。

電子メール使えず、FAXで全駅に通達

 「緊急メンテナンスの開始6分前に連絡が来るとは。何も手が打てないではないか」。長野電鉄企画部の担当者はファーストサーバの対応にこう憤る。

長野電鉄のWebサイト。下部に「ホームページの接続障害について」の告知
(出所:長野電鉄)
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 長野電鉄はWebサイトや社内メールの送受信にZenlogicを使っている。担当者には2018年7月6日午後7時54分ごろに「午後8時から緊急メンテナンス作業をするので、7月9日午前8時までサービスが使えなくなる」という内容の電子メールが届いた。

 折しも、西日本豪雨の被害が徐々に顕在化し始めていた。当時、長野電鉄は列車運行に支障が出る事態を想定して厳戒態勢を敷いていた。ところがZenlogicの緊急メンテナンスによって、Webサイトで運行情報を提供できなくなったのだ。

 「Webサイトが閲覧できなくなったので、お客様から問い合わせが従来以上に増える可能性が高い。いつも以上に丁寧に対応してほしい」。担当者は急きょ、ファクスで全駅にこう通達した。普段は本社と駅とのやり取りにメールを使うが、メールも使えず、やむなく例外的にファクスを使うしかなかった。

 7月9日午前8時。緊急メンテナンスの終了予定時刻になってもZenlogicは復旧しなかった。西日本豪雨の被害の深刻さが明らかになり、長野県の隣の岐阜県でも豪雨災害が起こっていた。

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