SUBARU(スバル)で新しく社長に就任した中村知美氏は、今後のパワートレーン開発について「今は水平対向エンジンを基にした電動化を進める」と、現状維持の方針を語った。ただし「今は」の言葉を強調し、将来は別形式のエンジンを検討することに含みを持たせた。

 2018年7月10日に開催した中期経営計画の発表会見で答えた。スバルの象徴といえる水平対向ガソリンエンジンは、主力の中小型車で電動化しにくい。縦置きが基本で、モーターを搭載してハイブリッド車(HEV)にすると縦方向に大きく延びるからだ。

フォレスター簡易HEV版のパワートレーン配置。4気筒水平対向ガソリンエンジンにモーター内蔵CVTを組み合わせる。エンジンは縦置きし、縦に長くなる。(出所:SUBARU)

 世界の環境規制は今後も厳しくなる方向で、高出力モーターを搭載した本格的なHEVが必要になる可能性は高い。気筒を直列に配置して横置きできる、水平対向以外の一般的なエンジン形式などの必要性は高まっている。

 スバルは新型「フォレスター」で、10kWの低出力モーターを採用した簡易HEVを用意した。ただし小型車まで対応する現行プラットフォームで、モーター出力を大きく高める本格的なHEVにするのは「難しい」(スバル技術者)との意見がある。

 簡易HEVは、エンジン後方の出力軸につながる無段変速機(CVT)にモーターを内蔵する仕組み。同じ構成で数十k~100kW級まで大型化した本格的なHEVにすると、CVTが縦方向に延びて車内空間を大きく浸食しかねない。

 なお2018年内に米国で投入する計画のプラグインハイブリッド車については、水平対向エンジンにトヨタ自動車のハイブリッドシステムを組み合わせる方針である(関連記事)。横置きエンジン用のハイブリッドシステムを大幅に改良して搭載する。


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