不正発覚後も検査不正を続けていた──。日産自動車は2018年7月9日、完成検査工程の燃費・排出ガス測定において検査不正(以下、燃費・排出ガス検査不正)が見つかったとして会見を開いた(図1)。対象は、日産自動車九州を除く、国内に5つある完成車組立工場。規定外の試験条件でも有効な測定としたり、測定値を改ざんしたりしていた。

 驚くのは、2017年9月に完成検査不正(無資格者による完成検査の実施、および国土交通省への届け出とは異なる検査工程による完成検査の実施)が発覚し、コンプライアンス(法令順守)などの教育を実施したにもかかわらず、検査現場が燃費・排出ガス検査不正を続けていたこと。検査不正に対する同社の自浄能力の低さが露呈した形だ。

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図 「この問題は根深い」と語り謝罪する日産自動車CCOの山内康裕氏 (写真:加藤康)

 燃費・排出ガス検査不正を行っていたのは、(1)栃木工場、(2)追浜工場、(3)日産車体湘南工場、(4)日産車体九州、(5)オートワークス京都、の5工場。記録したデータ(ログデータ)が残っていた期間の中で、直近の2018年5~6月まで不正が実施されていた。燃費・排出ガス検査不正が行われた車種は、車種名でみて19車種、型式ベースでみると30車種にのぼる()。不正を行ったのは、全部で13人いる検査員のうち10人だという。

 なお、この燃費・排出ガス検査不正が発覚したきっかけは、SUBARU(スバル)による同検査不正の事実の公表だ(関連記事)。

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表 燃費・排出ガス検査不正の対象工場と対象車種、検査不正期間、ログデータ期間

 燃費・排出ガスの測定は抜き取り検査で実施する。抜き取り検査設備の記録媒体に保存されていた合計2187台分のログデータを調べたところ、1171台と約54%で燃費・排出ガス検査不正が見つかった(図2)。ログデータは記録媒体の容量を超えると消える仕組みとなっており、同社がいつから燃費・排出ガス検査不正に手を染めていたかは不明だ。

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図 抜き取り検査のうち検査不正が発覚した台数の割合

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