「Windows XPのサポート終了前と同様で、感覚として動きは鈍い。これから加速させる段階だ」。日本マイクロソフトの藤原正三エグゼクティブプロダクトマネージャーは企業の6月時点のWindows 10への移行状況をこう語る。楽天リサーチの調べによると、中小企業におけるWindows 10への移行は「これから」とする企業が58%と過半数を占める。

 Windows 10への移行を後押ししたい日本マイクロソフトが頼みとするのが、春と秋の年2回実施する無償の大型更新だ。4月末には「1803」、通称「April 2018 Update」の配信を始めた。「PCにできることはなるべくPCに任せ、仕事やプライベートのための時間を作り出すための更新だ」。日本マイクロソフトの津隈和樹シニアプロダクトマネージャーはこう意義を語る。

 April 2018 Updateは大型更新の5回目に当たる。2020年1月にサポート切れを迎えるWindows 7を利用する法人ユーザーに向けて、生産性やセキュリティの向上をアピールしてWindows 10への移行を促す考えだ。

過去30日の作業履歴をすぐに引き出せる
図 Windows 10の更新「April 2018 Update」の特徴
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 目玉となる新機能の1つが「タイムライン」だ。PC作業の効率アップに寄与する。過去30日に操作したファイルとWebブラウザー「Edge」で閲覧したWebページの履歴を時間順に表示する。表示された履歴をクリックすると、該当するWebページやファイルなどをすばやく呼び出せる。

 「数日前にしていた作業の続きをする際、ファイルを探す時間を削減できる」(津隈氏)。例えばデスクトップPCとノートPCなど複数のWindows 10搭載PCを使っている場合、同じMicrosoftアカウントでログオンすれば、デスクトップPCでの作業履歴を出先のノートPCに呼び出せる。オンラインストレージ「OneDrive」にファイルを保存していればそのまま作業を続けられる。

「ウイルス対策ソフトはいらない」

 セキュリティの強化も訴求点だ。藤原氏は「サードパーティー製のウイルス対策ソフトはいらない」と主張する。Windows 7以前もウイルス対策ソフトを標準搭載していたが、機能が十分とはいえず、サードパーティー製のウイルス対策ソフトを別途使うのが一般的だった。

 Windows 10標準のセキュリティツール群「Windows Defender」シリーズはこれまで段階的に機能が強化されてきた。既知のマルウエアを検出する「Windows Defender ウイルス対策」は全世界の法人向けWindows 10搭載PCの5割以上に導入されているという。最上位エディションの「Enterprise E5」に含まれる「Windows Defender ATP」は、未知のマルウエアを検出しPCを修復する機能を備える。

 計画通りならWindows 7のサポート切れまでの大型更新は残り3回。働き方改革関連法が成立して生産性向上が喫緊の課題となるなか、企業の重い腰を上げられるか。企業の心をつかむ更新を提供できるかどうかにかかっている。

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