日本電産は2018年6月20日、京都市で第45期定時株主総会を開催した。同社の創業者である永守重信氏が登壇し、参加した約1070人の株主を前に、今後の事業計画などを解説。株主からの質問に回答した後、取締役9人の選任など4つの議案を決議した。同日に、取締役会での決議を経て、吉本浩之氏が代表取締役社長 兼 最高執行責任者(COO)に就任。この結果、永守氏は社長から退き、会長 兼 最高経営責任者(CEO)になった。

 株主総会では、永守氏がそのユーモアに富んだ語り口で会場を大いに沸かせ、終始和やかな雰囲気で進行した。その様子を、報道機関は、会場とは別室で映像視聴した。その後、日本電産は報道機関向けに説明会(記者会見)を開催し、永守氏と吉本氏が記者からの質問に答える形で今後の事業戦略や社長交代などに関してコメントした。ほとんどの質問には、永守氏が答えていた。以下に、Q&Aポイントを株主総会の内容も含めてまとめた。

株主総会後の記者会見に臨む永守氏(右)と吉本氏(左)
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2030年度売上高10兆円に向けて社長交代

 株主総会では、足元の業績が好調であることを引き合いに出し、目標に掲げている、「2020年度売上高2兆円」を達成できる見込みだと強調。むしろ、「経営陣の目は、(次の目標である)『2030年度売上高10兆円』にいっている」(永守氏)。

 その実現に向けた方策として、永守氏が真っ先に挙げたのが、社長交代である。現在73歳の永守氏から、50歳と「息子と同年代」(永守氏)の吉本氏へと社長のバトンが渡った。株主総会や報道機関向け発表会では、吉本氏に今後の舵取りについて質問が集中。それに対し吉本氏は、「当たり前のことを当たり前に行う『王道経営』を、スピード感を持って実行するのが日本電産の最大の武器で成長の源泉。(これまでの永守氏によるトップダウンの経営から)今後、『集団指導体制』へと徐々に移行していくことになるが、このスピード感を失わないように留意し、業績を一層伸ばしていきたい」と語った。

質問に答える吉本氏
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 ただし、以前から永守氏が言ってきたように、これまで永守氏が行ってきた業務を一気に吉本氏が担うのではなく、徐々に委譲していく。「以前のように世界中を飛び回るには、体力が限界にきている」(永守氏)ことから、まずは、世界各地にある日本電産グループの企業に吉本氏が飛んで行き、現地を自分の目で見て、現地の社員と一緒になってさまざまな改善策を講じ、事業をさらに強化していく。

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