富士通は2018年6月22日、従来のクラウドサービスを「FUJITSU Cloud Service」として刷新すると発表した。FUJITSU Cloud Service K5やオフコン向けクラウドなど既存クラウドサービスを一本化したうえで、基幹系システムのクラウド移行に向けて機能強化する。「今年後半にかけて、顧客が基幹システムのクラウド化を本格化してくる」(富士通の高橋高裕 デジタルビジネス推進本部長)のを見越した戦略だ。

 ベアメタル(物理サーバー)の提供や、グローバル展開強化などを通じ、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどメガクラウドに後れを取るサービスの拡充を急ぐ。今回の一連の強化策により、基本機能だけならメガクラウドに並ぶレベルまで整う。基幹系システムの争奪戦では負けられない富士通にとって背水の陣だ。

 サービス強化のポイントは、クラウド移行の容易性向上、グローバル展開の強化、ハイブリッド/マルチクラウド対応サービスの拡充の3つである。

ベアメタルでVMware基盤の移行を容易に

 従来のK5は、オープンソースのIaaS構築ソフト「OpenStack」がベース。これは、FUJITSU Cloud Service for OSSの中に、第1世代サービスとして継承する。それに並べるように、新アーキテクチャーで構築した第2世代サービスを追加する。FUJITSU Cloud Service for OSSは、西日本リージョンで6月29日、東日本リージョンで7月31日に提供開始予定だ。第2世代では従来の仮想マシンに、ベアメタルのサービスを加える。まず西日本リージョンで8月にリリースする。

FUJITSU Cloud Serviceの全体像
出所:富士通
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 ベアメタルがターゲットとするのが、オンプレミス(自社所有)環境に顧客が抱えるVMwareの仮想化基盤だ。「オンプレミス環境ではVMwareの仮想化製品を使っているシステムが多いが、(オープンソースの仮想化ソフトである)KVMで構築したK5に移行しようとすると、仮想マシンの定義を変換する手間がかかっていた」(富士通 クラウドサービス事業本部の谷内康隆 クラウドプロモーション統括部長)。FUJITSU Cloud Service for OSSで、こうしたシステムを設定や運用手法を変えることなく、そのまま巻き取る狙いがある。

 ベアメタル上のVMware製品は顧客が持ち込むほか、VMware製品群「VMware Cloud Foundation」を富士通が導入、設定するサービスも提供予定だ。もともとVMwareベースのFUJITSU Cloud Service K5 NCはFUJITSU Cloud Service for VMwareとして継続する。

 富士通と日本オラクルは2017年から、「Oracle Cloud Platform」および「FUJITSU Cloud Service K5 DB powered by Oracle Cloud」(K5 DB Oracle)を富士通の国内データセンターで提供している。これらサービスは、ひとまずFUJITSU Cloud Service for OSS傘下に入るが、「今後の位置付けなどについて両社で検討中」(高橋 本部長)である。

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