死亡事故のリスクは4輪車の20倍――。こんな話を聞いた直後、記者は2輪車でドイツの高速道路「アウトバーン」に繰り出した。シュツットガルト郊外の「A8」(8号線)は片側3車線で、時速100km/hを優に超えるスピードで多くのクルマが流れていた。しかも天気は小雨。憂鬱である。

 が、絶好のコンディションとも言える。記者がアウトバーンまで来たのは、2輪車の安全運転支援システムの実力を確かめるためだ。2輪車大手のイタリア・ドゥカティ(Ducati)とオーストリアKTMが2020年に実用化する機能を、いち早く試せることになった(図1)。厳しい道路環境の方が運転支援システムの性能を確認しやすい。そう自分に言い聞かせることにした。

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図1 Boschは2018年5月、限られたメディア向けに2輪技術の試乗会を開催した(左)。試乗会が終わるころになってようやく、晴れ間がのぞいた(右)。奥に見える建物は、ドイツ・シュツットガルト郊外のレニンゲンにあるBoschの研究センター

 3車線のうち中央のレーンを120km/hほどで走っていると、左側のミラー付近がオレンジ色に光った(図2)。程なくして、左の車線をドイツ・ダイムラー(Daimler)の高級セダン「Eクラス」が走り抜けていった。死角検知機能(BSW:Blind Spot Warning)が作動し、後側方から迫る車両の存在を記者に知らせてくれた(図3)。車両に気付かず車線変更していたら、ただでは済まなかっただろう。

図2 ミラー付近に配置した三角形の警告ランプ(赤丸部)が光った
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図3 BSWは後側方から接近してくる車両の存在を知らせる(出所:Bosch)
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 2輪車向けBSWを開発したのは、ドイツ・ボッシュ(Bosch)である。今回乗ったBoschの試作車は、死角検知を含めて三つの安全機能を備えた。残る二つは、先行車追従機能(ACC:Adaptive Cruise Control)と前方衝突予測警告(FCW:Forward Collision Warning)である。

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