既存事業を抱える大企業は、イノベーションを起こしにくい。いわゆる、イノベーションのジレンマだ。この考えに真っ向から立ち向かおうとしているのが、保険大手のSOMPOホールディングスである。「今のビジネスモデルを自ら破壊しなければ、この会社の将来はない」。楢崎浩一常務執行役員グループCDO(最高デジタル責任者)は危機感を募らせる。

SOMPOホールディングスの楢崎浩一常務執行役員グループCDO
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 イノベーションを起こすため、SOMPOが2018年6月13日に設立したのが、社内外の人材を集めた「SOMPO D-STUDIO」である。SOMPOグループ傘下の人材のほか、行政や研究機関、ベンチャー企業などからも多様な人材を広く受け入れ、新規ビジネスのアイデアを生み出す。優れたアイデアには、SOMPOやベンチャーキャピタルが出資し、事業化を支援する。

 当初の参加者は合計20人。今後も広く参加者を募集する。社内のメンバーは主にデジタル戦略部の社員。社外からの参加者は多彩で、参加条件はほとんどない。参加費も無料。「基本的に来る者は拒まない。営業目的のITベンダーなどは面接時にお断りする程度だ」(SOMPOホールディングスの中林紀彦チーフ・データサイエンティスト)。

 社外のメンバーが出席するメリットは、参加企業が持ち寄ったデータを分析できること。SOMPOグループや参加企業、個人が所有しているデータを個人情報を隠してから統計解析する。これにより新たな気づきを得て、新規事業のアイデアを考案できる。有望な新規事業のアイデアには出資される可能性もある。SOMPOは半年で参加者を100人まで増やし、30の新規事業プロジェクトを立ち上げる計画だ。

「D-STUDIO」には社内外から人材を集める
(出所:SOMPOホールディングス)
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